開業者インタビュー
株式会社magellan(マゼラン)
小売
老舗家具店からの再チャレンジ ~ Art × Design Lab「くらし座」
永年続いた家具店を閉店し、再び開業しようと思ったのはなぜですか?
昨年3月末に「DAIMARU」を閉店し、7月末には株式会社家具の大丸を解散、8月にこのmagellanを立ち上げた後、半年間の準備期間を経てコミュニティ型アンテナショップ「くらし座」をオープンしました。
耐久消費財である家具業界の不振の中、購入者層の変化などで厳しい状況が続くようになり、閉店は従業員の生活を守って彼らが次に進める形にするための社長としての決断でした。
そして、自分自身も、社会に貢献できるのはインテリアの世界しかないと思い、これまでの業態にはない新しいしくみでお客さんと家具・インテリアの関係を築きたい、経営者になったときから変わることのないその志を叶えるため、今度は自分ひとりで再スタートすることを決意したのです。
事業の特徴・こだわりを教えてください。
「アート&デザインラボ」がコンセプト。流行や固定観念にとらわれたような、単に物を並べて売るだけの業態ではなく、ワークショップや店内のカフェでのコミュニケーションなどを通して、生活の中のデザインの価値やお客様にとってのメリットをわかりやすくお伝えし、体感してもらう、いわば実験室のような空間を提供します。店名の「くらし座」は「暮らし」をテーマにさまざまな分野のものづくりの専門家が集まり、観客(お客様)を楽しませる劇団のようなイメージで名づけました。ちなみに社名のマゼランは永年のハンドルネームで、商業主義のひずみの荒波を乗り越える冒険家というところでしょうか(笑)
アシ☆スタのサポートはいかがでしたか?
本町商店街振興組合理事長を務めていたときに仙台市経済局と関わりがあった経緯で、アシ☆スタを知りました。再チャレンジをしようとしたときの不安を聞いてもらえたり、新しい取組みとなるこの事業にアドバイスをもらえたりしたのはありがたかったです。また、事業計画を精査していく中で資金計画の見直しもでき、再び融資を受ける決心もつきました。
今後の展望を教えてください。
今はやっと(田植えの)代かきが終ったような状態。これから苗を植え育てていくような時間のかかる事業だと思っています。作り手である職人の価値の創出、それを理解・実感できるお客さんの喜び、それらに寄り添って膨らませていくことが自分のような小売専門店の使命だと思っていて、その志を持ち続けていきたいです。
また、すべてを自分ひとりでやらなければならない今、経営者としての原点に戻っていることを実感しています。この「生きている感」をお客さん本位のサービスにつなげ、誠心誠意伝えていきたい、これまでの家具小売業態のしくみから脱皮しても事業として成り立っていくことを実証していきたい、目指すべき目標です。
起業家からのメッセージ
情報が氾濫する今、インテリアカフェ「くらし座」で、一度ニュートラルな状態になってみませんか?店内の椅子ひとつ、スプーンひとつにもたくさんの「気づき」が仕掛けられています。ぜひ、お気軽にお寄りください。
そして、これから起業を目指す方へ
起業しようとするとき、誰もが不安です。でも、自分の志を実現しようと思ったとき、そこには心地よさもあるはず。不安は、アシ☆スタのようなところで、専門家に数字の裏づけをしてもらいながら、ひとつずつ潰していけばいいのです。やらないで後悔するより、わくわくしている自分を想像して、ポジティブに!
取材日:2019年2月1日
開業者情報
- 企業名
- 株式会社magellan
- 代表
- 大村 正
- 開業
- 2018年8月
- HP
- https://magellan-essence.com/
- 電話
- 022-395-7616
- 所在地
仙台市青葉区本町二丁目19-9 クリスタルパレス本町ビル 東3F