開業者インタビュー

PIZZERIA BUENOS(ピッツェリア ブエノス)

飲食

ナポリピッツァの味わいとお店づくりに“自分の色”をのせて

起業のきっかけを教えてください。

子供のころ、数ヶ月に1回、親が買ってきてくれるピッツァが最高のご馳走でした。ピッツァを分け合いながら食べることで生まれる様々な会話や賑やかな雰囲気も大好きでした。
高校卒業後は運送業の仕事をしていましたが、配送で訪れた飲食店で友人と再会しスタッフとして誘ってもらい、飲食業界へと飛び込みました。イタリアンやピッツェリアで修行を重ねる中、ピッツァづくりはなぜか性に合っていたんですよね。子供のころを思い出し、今度は自分があの雰囲気を提供する側になりたいと思いました。それが、自分のお店を持ちたいと思ったきっかけです。そこからは自分のお店を開くために必要な経営のノウハウも学びました。

起業するうえで大変だったことは何ですか?

ピッツェリアは大きな窯を配置するスペースや排煙設備が必要で、お店づくりが特殊です。そのため、条件に合った物件探しには苦労しましたね。でもここで妥協すると後から大変になるとわかっていたので、不安と戦いながらも物件探しに奔走する日々でした。候補の物件が見つかるたびにビジネスプランも書き直して…。そして見つけたのが商店街の通りに面した現在の物件。築40年ほど経っていますが、思いがけないことにスケルトンの状態で貸し出してくれたり、こちらがリクエストした水回りの工事を引き受けてくれたりと、資金面でも好条件の物件に出合うことができました。

お店のコンセプトは?

当初は“ピッツァをゆっくり食べられる落ち着いた空間”を考えていました。でもそういったお店は多く見かけますし、似たような事をしていてもお客様には“なんか似てるよね”で終わっちゃう。それよりは、「自分だからこそできる、いろんな人にピッツァを楽しんでもらえる場所」にしようと思ったんです。家族でもカップルでも友達とでも、誰でも気軽に入りやすい明るい雰囲気を大切にしています。イタリア産の小麦粉でつくる生地の味わいにもこだわっていますよ。1枚食べた後でも、もっと食べたいと思ってもらえるような軽い仕上がりを心掛けています。そろそろ夏野菜が穫れる時期を迎えるので、今後は宮城県産の野菜を使ったメニューも提供していく予定です。

アシ☆スタのサポートはいかがでしたか?

お金や数字に関する部分をサポートしていただきました。辛口なアドバイスをいただくことも多く、理想と現実との違いを突きつけられましたね(笑)。でも、それがすごくためになりました。1日に何人のお客様が来るだろう、という想定を考え尽くしたり、アシ☆スタさんから「どうしてピッツェリアを開きたいのか」「ピッツァでお客さんに何を伝えたいのか」という質問されることで商売の芯がしっかり太くなりましたから。
考えさせられて、考えて。それでさらに現実を知って、直していく。それを繰り返しながら、お店の軸がどんどん定まっていきました。

新型コロナウイルスの影響が広がる中でのオープンとなりましたが、営業のために工夫したことはありましたか?

レストランや飲食店が軒並み休業している中でテイクアウトの需要があり、多くのお客様に利用していただきました。アルバイトを雇ってデリバリーも行いました(※注:現在デリバリーサービスは終了しています)。実は、以前お世話になった飲食店の料理長から「ピンチはチャンスだ」と教わってきました。それってまさに今のこと。外に出られず楽しみが減ってしまった中で、テイクアウトやデリバリーを通して食べる楽しみを届けられたのはよかったと思っています。いろんなお店が休業すると商店街の通りが暗くてさみしいですしね。せめて自分のお店だけでも照明を明るく付けていれば近隣の皆さんも元気になるかな、なんてことも思いながら営業していました。
また、周囲を巻き込みながら一緒にお店を作っていきたいとの思いがあり、工事中はシャッターを閉めずに、外から中の様子が見えるようにしていました。ピッツァを窯から出し入れする時に使うピッツァピールという大きなヘラがあるのですが、それをわざと入り口に立て掛けておいたりして(笑)。オープン後、来店されたお客様から「私はピッツァのお店だと思うって、友人と話してたのよ」などと声をかけていただくこともありました。

オープンして数ヶ月ですが、これまでの営業を振り返って新しい発見はありましたか?

大変な状況の中でも「自分たちにできることはなんだろう」と考え、ゆっくりでも流れに乗ろうと思えたことですね。流れに乗るというのは、経営を続けるということ。どんなハプニングが起きても経費がかかっても、お店を営業し続けたことが一番の勉強になりました。デリバリーという形態と合わせて経営を続けた経験は今後の糧になると思います。

起業家からメッセージ

私がお店を出す上で一番大事にしたのは「自分の色を出す」ということです。私はつくることと絵を描くことが得意なので、自分の手で内装作業をしたり手描きのメニューをつくってみたりしましたが、それが私らしいお店につながりました。自分の色を出せば、お客様に“他とはちょっと違うお店だな”と思ってもらえるはず。ぜひオリジナルの色を見つけてみてください。
ちなみに、メニュー表などに描かれている絵は2~3年前から描きためていたもの。来店された際にはぜひ探してみてくださいね!

取材日:2020年5月22日

開業者情報

企業名
PIZZERIA BUENOS(ピッツェリア ブエノス)
代表
菊地 茂雄
開業
2020年4月
Instagram
https://www.instagram.com/pizzeria_buenos_sendai/?hl=ja
電話
022-395-8828
所在地

仙台市若林区荒町72 (荒町商店街)

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