開業者インタビュー
yorisou clinic(ヨリソウ クリニック)
医療・福祉
卒業のある治療を目指して患者様に寄り添う伴走者
仙台市中心部。仙台トラストタワーの向いにある雑居ビルに、2024年7月、少しユニークなクリニックがオープンしました。それが「yorisou clinic(ヨリソウ クリニック)」です。クリニックのドアを開けると、「本当にここがクリニック?」と驚くような、アンティーク家具が設えられた清潔で居心地のよい空間が広がります。
運営しているのは、ともに医師である倉橋将宗さんと美佳さんご夫婦です。
医師として十数年、主に外科系の診療を行ってきたという将宗さん。2020年に美佳さんの実家から近い仙台市に移り住み、内科をメインとした診療に携わることになりました。
「内科は薬の処方がメインで、患者さんは長いこと待っていて、いわゆる“3分診療”。しかも、毎回毎回同じ患者さんが来る。『これって、意味があるのかな。薬を飲んでもよくならないということは、まずよくならない原因を探らなくちゃいけないよね。自分は今まで何をやってきたんだろう』と思うようになったんです。それで、徹底的に患者さんの話を聞いて、その症状に向き合うクリニックを始めたいと思って、この『yorisou clinic』を立ち上げました」と、将宗さん。
美佳さんは「私は、もう研修医のときから『今の日本の医療は無理』って思っていて。小さい時から病院にかかることが多かったのですが、医師に話を聞いてもらえるのってほんの数分しかない。ベルトコンベアに載せられているような気がして嫌だったんです。私は小児科の医師だったのですが、完璧なはずの赤ちゃんが薬漬けになっているのが、本当に嫌で。だから夫から、独立の話を聞いたときには『待ってました!』という感じでした」と笑います。
とはいえ、独立に際しては不安もあったといいます。
「本当に人が来てくれるのか…という思いはありました。また、保険診療は点数が低いので、採算を取るために何百人という患者さんを診ないといけないんです。そうすると当然ひとりひとりにかけられる時間は限られてしまいます。ですが、患者さんの体ときちんと向き合うためには、薬の使い方、食事や生活習慣に至るまで、じっくりお話を伺わないといけません。そして、いずれは薬を飲まなくてもいいように、本当に健康な状態になるようにするのが、私たちの仕事だと思いました」と、将宗さんは話します。
開業にあたっては、美佳さんの友人が紹介してくれたというアシ☆スタを利用しました。
「最初、何をしたらいいか分からなかったし、クリニックの開業にコンサルを入れると何百万円ってかかるんです。それで『お金がかからないなら、利用してみようか』くらいの気持ちで伺いました。融資は受けたほうがいいのかなどを伺いましたが、一番は私たちのやりたいこと、コンセプトを言語化できたこと。なかなか言葉にすることが難しかったので、ホームページをつくるうえで、とても助かりました」と、美佳さん。
ホームページのほか、Instagram、Googleビジネスなどを活用するだけでなく、健康意識の高い人たちの口コミで、今では人気のクリニックに。
「病院にかかっているけれど治療に疑問を持っている方やちゃんと医師に話を聞いてほしい、何年も同じ治療をしている…と、うちに来てくださる方はさまざまです。年齢も下は4歳から上は80歳過ぎまで。『もう来る必要がない』ことを目標にしています」と、将宗さん。
そして美佳さんは「もし、起業、開業を考えているけれど迷っている…という方には『迷うなら、やってみて!』と伝えたいです。最初は不安でも、きっと自分の思い描く場所がつくれると思いますから」と、笑顔で話してくれました。
取材日:2024年10月
開業者情報
- 屋号
- yorisou clinic(ヨリソウ クリニック)
- 院長
- 倉橋 将宗
- HP
- https://www.yorisou-clinic.com/
- TEL
- 070-2312-2463
- 診療時間
- 月曜~金曜 8:30~12:00、13:30~17:30
土曜 9:30~12:30
※完全予約制
- 所在地
仙台市青葉区一番町一丁目8-10京成壱番町ビル401号室