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コラム

コミュニケーションに欠かせない“聴くチカラ”


皆さまこんにちは、キャリアコンサルタントの鶴田 弥生です。

初対面や異なる年代の人と話すときや、採用面接で人事担当者と話すときなどに、「何をどのように話せばいいの?」と、悩んだ経験はありませんか?

特に引っ込み思案、緊張しやすいと自覚する方はコミュニケーションに苦手意識を持つことが多いです。

でも、悲観することはありません!

今回のコラムでは、コミュニケーションにおける“聴くチカラ”「傾聴力」についてお伝えします。傾聴によって良質なコミュニケーションを築いていきましょう。

「コミュニケーション能力=トーク力」ではありません


コミュニケーションには2種類あります。
会話や文字など言語を介した「言語コミュニケーション」と、ジェスチャーや態度・表情など言語以外の要素で行われる「非言語コミュニケーション」です。

どちらも重要ですが、コミュニケーション能力というと“トーク力”、つまり言語コミュニケーションの能力であると、多くの方が捉えているように思います。

もちろん、率先して話題を提供することや順序立てて話すことも大切です。

しかし、私は、相手に関心を寄せ、相手が伝えたいことを理解し、応えることができる”傾聴”がコミュニケーションのポイントだと考えています。

”聴くチカラ” 傾聴とはどんなもの?


傾聴とは「耳・目・心」を傾けて真摯に相手の話を聴くことです。非言語コミュニケーションにあたります。

傾聴には、うなずき・あいづち・励まし・質問といったテクニックが多数ありますが、専門家でなければ使いこなせないというわけではありません。

相手の話に好奇心を持つ、相手の言葉を繰り返す、自分の表情や目線に注意を向けて落ち着いた態度で接する。これらも全て傾聴です。

なお、アメリカの心理学者マクギンリーは「聴く態度」について2つ解説しています。

  • オープンポジション(開かれた態度)
  • 相手を受け入れる態度。正面を向き目線を合わせ、話し手に聴いてもらっていると感じさせる姿勢。

  • クローズポジション(閉ざされた態度)
  • 相手を拒絶する態度。腕を組む、足を組む、横を向く、椅子の背もたれに寄り掛かる姿勢。

あなたはどちらの態度が多いでしょうか。
聴く態度によって、相手との関係性や相互の印象の良し悪しに影響を及ぼしかねないことを覚えておきましょう。

会話のポイントは、傾聴で相手の心理欲求を満たすこと


私たちは誰でも、受け入れてもらいたい(受容)・認めてもらいたい(承認)・大切にされたい(重視)という3つの基本的な欲求を持っています。

それらの欲求が満たされた時に、他者から必要とされている自分を実感できるのです。

傾聴に含まれる、うなずきやあいづちは、話し手の発言を妨げることなく関心を寄せる反応です。心理欲求が満たされた話し手はうなずく相手を好意的に感じます。

一方、聴き手も他者を認める自分を肯定的に捉えることにつながるため、相乗効果が期待できます。

いかがですか? 話すことが苦手な方でも、“うなずき・あいづち”によるコミュニケーションはすぐに実践できるのではないでしょうか。

“傾聴”と“自己開示”で良質なコミュニケーション


傾聴の本質は相手の立場になって理解しようとすることです。
相手を受け入れ、話を聴こうとする気持ちが相手にメッセージとして伝わるはずです。

多様性あふれる社会で、個々の価値観やライフスタイルを互いに受け入れながら私たちは生活しています。

今回お伝えした“聴くチカラ”と、自分に関する情報・意思・感情を適度に表明する“自己開示”をバランスよく織り交ぜながら良質なコミュニケーションを目指しましょう。

おわりに

私たちキャリアカウンセラーは、さまざまな背景を持つ相談者の気持ちに寄り添う共感をもとに信頼関係の構築に努めています。
そして傾聴によってありのままの相談者を見つめて、強みや関心を探ることをはじめ“独自のキャリア”をふまえ、充実した職業人生を支援しています。

皆さんが人間関係や選択に悩むとき・自己理解を深めたいとき、あるいはビジョンを語りたいときには思いをどうぞお聴かせください。

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鶴田 弥生
国家資格キャリアコンサルタント
2級キャリア・コンサルティング技能士
CMCA協会認定キャリアカウンセラー
日本エニアグラム学会1級アドバイザー

 

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