株式会社グリーディー
天然回帰~Feel Organic~アロマティックバスソルト

株式会社グリーディーは、仙台市産業振興事業団が主催する
第9回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「天然回帰~Feel Organic~アロマティックバスソルト」


「暮らす人を豊かに」をコンセプトに、アロマ・ハーブ・女性の感性で「人」「事業」「地域」の課題に取り組む株式会社グリーディー。天然のアロマ精油を活用した企業のブランディング・マーケティング支援のほか、オリジナルのプロダクトも販売し、リリースする度に大きな話題となっています。そのグリーディーが、2022年に発表したのが、「天然回帰~Feel Organic~アロマティック バスソルト【呼吸】【解放】」です。



株式会社グリーディーCOOの阿部楓子さんは「コスメの分野に取り組みたいと考えていたところ、その前年に『AKIU Style』の商品開発の支援をしていただいた仙台市産業振興事業団さんから商品開発支援のご案内をいただいて、挑戦してみようということになりました」と話します。

商品開発支援プロジェクト開始当初は、東北素材を活用したコスメをつくるということだけは決めていたものの、具体的な決定打にかけていたそうです。阿部さんは「マーケッターの大志田(典明)さんから『ニーズの調査を、自分たちのお客さまを対象にした方がいい』とアドバイスをいただきました。アンケートをやってみて新しい視点や顧客ニーズも把握することができ、総合して検討するよい機会となりました。その結果をもとに、肌、全身で感じてもらえる『バスソルト』にたどり着きました」と話します。

また、その中でイシノマキ・ファームのホップを活用できないかという話が舞い込んできたそう。

「ホップのビールだけではない魅力を発信したいというご縁でした。さらにホップについて調べてみたら、実は美容効果が高いことがわかって」と、阿部さんは話します。

東北のものを使用した商品づくりは、グリーディーの事業の大きな軸。ホップを使用すること、そして手摘みのラベンダーを自社で精油したラベンダーオイルを使用した2種類のバスソルトをつくることが決まりました。

ブランド名は「天然回帰」。

阿部さんは「商品開発を行っていくと、いろいろな意見を耳にして迷うことが出てきます。そのときに心がけたのが、原点。私たちの強みと魅力は、手作業で作り手の顔が見えることと東北素材のアロマ。どうブランドを展開しても、そこに戻るんです。原点に返るということで。原点回帰からこのブランド名にしました。そして、お客さまにどうなってほしいかを考えて生まれたのが、深呼吸したくなるような【呼吸】とほどけるような【解放】でした」。

【呼吸】は、「ホップについて取材をして、その花言葉が希望であることを知り、農業を通しての心のリカバリーを強く感じました。お日さまの下で土にまみれて深呼吸できる。そんなイメージがふくらみました。ただ、直接香ったときとお風呂に入れたときの香りが違ってしまったんですね。ホップが酸化しやすく、色も香りも変わってしまうためです。なので、今まで通りのブレンドとは違ってしまいました。1種類の香りをつくるのに、10回以上はお風呂に入って何度も試作を繰り返しました」と、阿部さん。

【解放】は、「雄勝で獲れたラベンダーの香りをころさないように自社で精油しました。妖精さんと呼ばれている手摘みの方たちの生き方や土地への想いが伝わるといいな、と。塩にブラックソルト入れているのですが、硫黄臭があるので、入れすぎてしまうと香りのバランスが崩れました。香りを楽しんでもらうバスソルトですので、ブラックソルトの配合が難しかったですね」と、その開発秘話を明かしてくれました。

正式な商品化に際しては、モニターもお願いしたそうで、「92%の方が『疲れた日に使いたい』とおっしゃってくださいました。なので、1日の中で洋服を脱いでいただくような雰囲気にしたいと思いました。4個パックにしているので、週に1回自分に贅沢な時間を持ってほしいです」。

阿部さんは「事業団の商品開発支援プロジェクトは、社内だけではたどり着けないゴールに導いてくれたと思います。辛口のアドバイスもありましたが、社内では出てこないアイデアでした」と振り返ります。

さらにこの商品をもっと気軽に試していただきたい想いから、「スタッフみんなで【呼吸】と【解放】を大切な人に贈ることができるレターサイズの商品『アロマソルトレター』をつくりました。いきなり4回分を買うのではなく香りを試したいとか、使ってよかったからお友達や親御さんに贈りたい、というニーズに合うのかな、と思いまして」。かわいらしいイラストが印象的なパッケージ。これは、石巻の就労施設「あっぷるぷらす」の利用者さんが描いたものをデザイナーさんにお願いして組み合わせてつくったものなのだそう。

現在は、化粧品の開発に力を注いでいるというグリーディー。目指すゴールはどこなのでしょう。

「それこそ私は、このお部屋のブルーの色の自社ビル兼店舗をつくること(笑)。ほかにもスタッフが秋田出身なのでいつかは秋田、そして南三陸と東北各地に支社なんかできたら楽しいねと話をしました(笑)。でも、現実的な話として、そこに至るまでのロードマップの中で出てきたのが化粧品の開発だったんです。ほかにも、地域課題の解決でいろいろなものを循環させていかないと…とか、やるべきことは山積していますね(笑)」。


“欲張りな”という意味を持つグリーディー。阿部さんをはじめとして、女性たちの素敵な“欲張り”が、この地域を、社会を大きく変えていくかもしれません。

イキイキと働く姿が印象的な阿部さんのものがたりは、Yahoo!ニュースでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

株式会社グリーディー

所在地 〒980-0802 宮城県仙台市青葉区二日町17-22 TNER304
TEL 050-3395-1832
営業時間 午前10:00~午後5:00
URL https://www.greedyweb.com/

取材/2023年7月

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。

\行ってきました!/「東京インターナショナルギフト・ショー秋2023」
リポート

魅力的な雑貨・工芸品がいっぱい!


テーマは「仙台 杜のくらふと sendai desiners for well-being」

去る9月6、7、8日の3日間にわたって、東京ビッグサイトで行われた「第96回東京インターナショナル ギフト・ショー秋2023」。
海外からの来場者数を含む総来場者数は21万人を超え、大変な盛り上がりをみせました。
出展企業数も2,982社にのぼり、仙台市からは「仙台 杜のくらふと」と題し、6社が出展を果たしました。

「itch」こけしのイラストハンガー

ギフト・ショー初出展のDEPART(itch)は、ユニークなアートハンガーを出展。
齊藤薫さんは「予想以上に多くの方に立ち止まっていただいて、お話することができました。このハンガーのユニークな点を理解して面白く使っていただける方に届けたい」と話していました。

武州正藍染刺子×カラー帆布トートバッグ

剣道の道着などに使用される「刺し子生地」使用したバッグや小物を製造販売する「ENN LIVING WORKS」も今回が初出店。熊谷朋之さんは「たくさんの異業種の方とふれあえる貴重な機会となりました。日本の伝統文化、そしてこの商品の経年変化を楽しんでいただける方に手に取ってほしいですね」と話していました。

スカーフにもなる水彩画ハンカチ

水彩画をテキスタイルに起こし、ハンカチやポーチなどのアイテムに仕立てている「miyaco hyper」。代表の西尾都さんは「ギフト・ショーに出てみたかったんです。過去に見学に来たこともあったのですが、実際に出展するとお取引が発生して、すごく勉強になります。歓送迎会やお誕生日などのギフトにぜひ遣っていただきたいです」と笑顔で語ってくれました。

AKIU Style ナチュラルリードディフューザー(ミディアム ボディ)

そして今回でギフト・ショーへの出展が4回目だという株式会社グリーディー。
COOの阿部楓子さんは「今回は心と体に働きかけるバスソルト『呼吸』と『解放』をお持ちしました。関東圏、東京で実際に香りを体験していただける機会を得ることができてうれしいです。忙しくてお疲れの方は、ぜひこのバスソルトで癒されてほしいです」と話していました。

obico -きもの帯バッグ-

着物の帯をバッグやポーチなどにアップサイクルするobicoは、2回目の出展。
代表の今野幸治さんは「もともとこのブランドは海外に向けて発信したいという思いがあったので、今回は海外のバイヤーさんの割合が増えていればいいなと期待しての出展です。実際に日本と海外のバイヤーさんが、半々なので、これをいいきっかけにしたいですね」と、期待を寄せます。

仙臺銅壺・盃

そして伊達政宗公の時代からの老舗「タゼン」は、銅の酒器を中心に初の出展。
出展ブースに立った櫻井拓さんは「仙台の森民酒造さんに協力をいただきながらつくった酒器です。イベント自体初出展なので、やりながら勉強させていただいている感じです」と話してくれました。

コロナ禍の終焉とともに、人・モノの交流がグッと増えた2023年。このギフト・ショーを足掛かりに、仙台の“よいもの”が日本全国、そして世界へと羽ばたいていくことに期待したいですね。

合名会社菓子処 丸美屋
「雪中果」

合名会社菓子処 丸美屋は、仙台市産業振興事業団が主催する
第9回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞「雪中果」


「春待ちりんご」や「雪室りんご」という言葉を聞いたことはありますか?
雪の中でりんごを保存することで、甘味とみずみずしさが増すといわれている、東北ではポピュラーな保存方法。その雪中のりんごをお菓子で再現したのが、青森県八戸市に暖簾を構える老舗和菓子店「お菓子処 丸美屋」の「雪中果」です。


写真:コロナ禍での起死回生を狙い、「雪中果」を開発した若山さん

真っ白な粉の中に、これまた真っ白なマシュマロが入っています。探す楽しみがあるのも、この商品の大きな特徴です。代表の若山忠義さんは「うちは冠婚葬祭の干菓子が売り上げの中心だったのですが、コロナで冠婚葬祭がなくなってしまって、全部頭打ちになってしまって。これからどうしようと考えていく中で、新しい商品が必要だろうということになりました」と、その開発のきっかけについて話してくれました。


写真:老舗和菓子店らしく、工場の中には年季の入った焼き印が

「せっかくだから、丸美屋が今まで作っていたようなお菓子とは全然違うものを作りたいと探していたところ、マシュマロ、ギモーヴというものに出合ったんです。和菓子ではないものを和菓子として販売してはどうかと。機械メーカーさんのほうで、マシュマロの中にりんごのジャムを入れることができるということだったので、じゃあやってみようか、と。中に餡を入れるというところは和菓子らしいと考えました」。


写真:伝統的な和菓子も職人の手でつくられていく

ヒントになったのは、かつて全国を巡る中で出合ったお菓子でした。
「広島に行ったときに、和菓子屋さんでギモーヴを使った商品を出しているところがあって、いいなぁと思っていたんです」。


写真:雪中果をふたつに割ると、甘酸っぱいりんごのジャムが顔を出します

りんごのジャムを包んだマシュマロ、だけでは物足りないと感じたという若山さん。
「何か面白いことができないかと考えたときに、津軽の方で雪の中にりんごを貯蔵して、それを春になったら出して食べるっていうのがあったよな、と思い出して。雪の中に埋もれて探しながら食べるっていうのは面白いんじゃないかと。ただ、雪の中から出てくるりんごは真っ赤だけど、うちのは白い。だからといって色を付けてもちゃんとしたりんごの色にはならないから、うちは白いまま進めてもいいかな、と。白に白でぱっと見分からないというのも面白いかな、と思って」。

オブラートを細かく刻んだものを雪に見立て、「雪中果」が完成しました。



パッケージにも若山さんのこだわりが光ります。
「雪の中から顔を出すりんごを表現しています。あえて商品名を入れていないので、食べ終わったら小物入れなどとして使っていただけたらうれしいですね」。

昭和8年(1933)創業の老舗和菓子店が挑戦した、新たな商品づくり。
ユニークなコンセプトとデザインの美しさもあり、「新東北みやげコンテスト」で優秀賞に輝きました。
「賞をいただけたおかげで、メディアからの取材も受けることもできました。お土産としての動きもとてもいいんですよ」。


「雪中果」は、丸美屋本店、八食センター店のほか、イベントなどのポップアップショップで購入することが可能です。オンラインストアも準備中とのことなので、ぜひ一度“雪”の中から甘~いマシュマロを探し出してみてはいかがでしょうか。

「お菓子処 丸美屋」、そして若山さんのものがたりは、Yahooニュース!でもご覧いただけます。

合名会社菓子処 丸美屋

所在地 〒031-0802 青森県八戸市小中野8-8-35
TEL 0178-22-6105
FAX 0178-47-3553
営業時間 午前9:00~午後5:00
定休日 毎週火曜日
URL https://marumiya.jp/

取材/2023年7月

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。