MOYANE協議会
MOYANE「ぶどう飴」

MOYANE協議会は、仙台市産業振興事業団が主催する
第9回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

デザイン特別賞 MOYANE「ぶどう飴」


りおかっぱりいいよ」をテーマに、商品を通じて岩手県盛岡市の魅力を伝える「モヤーネ」。

盛岡を代表するような老舗の商品を若手デザイナーがリブランディングしてパッケージを改良するというプロジェクトです。そのひとつとして選ばれたのが、明治42年創業の老舗和菓子店「御菓子司 山善」の「ぶどう飴」。

店舗の裏庭に植えられた山ぶどうの果汁を使用した(※)「ぶどう飴」は、山善の昔からの看板商品のひとつ。

※自社採取で足りない分は、岩手県産の山ぶどうで対応


写真:お父さまが4代目にあたるという、奥堂さん

山善の広報担当の奥堂和香子さんは「ぶどう飴は昔からある商品で、大正時代にはすでにあったことがわかっています。ただ、ここ最近なぜか売り上げが伸びずにいて、どうしようかと考えていたところでした。絶対にお店からはなくせない商品であって、若い方にも召し上がっていただきたかったので、お声がけをいただいたときに『ぜひ、このぶどう飴をリブランディングしてください』とお願いしたんですよ」と話します。


写真:独立したその年に、この大役を任されたという松前さん

デザインを担当したのは、若干24歳の松前哲さん。

「僕も岩手の出身で、家族が郷土菓子好きだったことから、ぶどう飴は知っていたんです。今回のプロジェクトの中にぶどう飴があったので、『やりたいです』と手を挙げました」と話します。しかし「手を挙げたはいいけれど、『僕みたいな若手でいいのかな』というプレッシャーも感じていました。でも、奥堂さんからもいろいろ提案していただいて、割とすんなりと進めていくことができました」と、当時を振り返ります。


写真:ぶどうの房、粒を想起させるかわいらしいパッケージに仕上がりました

出来上がったデザインは、ぶどうの房を想起させるコロッとしたかわいらしいパッケージ。山ぶどうの色合いを、グラデーションをつけた美しい紫色で表現しました。持ち手の茶色い紐は、ぶどうの蔓のよう。おみやげ売り場でもこの持ち手をひょいとつまんで、買い物かごにいれるお客さまも多いそうで、まさに狙った通りの展開となっているようです。


写真:山善の店舗裏庭で栽培している山ぶどう。撮影時はまさに収穫の時期でたわわに実っていました

松前さんは「山善さんの裏庭に山ぶどうが植えてあるんです。中庭に生えているときいたので実際に見せていただくとすごく立派で。ぶどう狩りの感覚で、陳列しているところから取れたら楽しいかなと思ってこの形にしました。最初は、イラストでぶどうを表現しようとしていたのですが、形で表現しても楽しいかな、と。持ち手の部分は、奥堂さんのアイデアなんですよ」と教えてくれました。


写真:初めての共同作業は大成功でした

このデザイン案を見た奥堂さんは「一目ぼれしました。提出していただいたデザイン案は何点かあったのですが『これだ!』と思いました。若い人向けにも行けるデザインでしたし、なによりかわいくてワクワクする感じが伝わってきたんです」。

新しいパッケージに生まれ変わった「ぶどう飴」は、モヤーネの商品のひとつとして、いろいろなところで販売されることに。奥堂さんは「コンビニや駅の売店、あとは『盛岡手づくり村』という場所があるのですが、そこで置いていただいているので、小学生、中学生のお客さまも買ってくれるんです」と話します。「次の世代に…」という奥堂さんの願いが叶いました。


写真:この夏のおみやげ需要の急伸を受け、増産することになったそう。丁寧にこしらえます

甘酸っぱく、夏場はねっとりで、冬は固め。季節によって食感が変わるのも、このぶどう飴の特徴。パッケージデザインが変わり、規制のない夏休みとなったためか「お盆期間でおみやげ需要が増えました。売り切れになってしまうところもあって、普通夏場にはぶどう飴はつくらないのですが、急遽工場を稼働させることになりました」とうれしい悲鳴も。


写真:ぶどう飴を細かく刻んで、バニラアイスのトッピングに。食感も楽しめる極上のデザートに

盛岡周辺でないと購入できないということもあり、おみやげ需要も高いよう。

松前さんは「デザインは、売上の改善を助けるひとつの手段になると思います。でも、こうして実際に売り切れたお話を聞いて、売り上げに直結してくるとうれしいし、力になれたんじゃないかなと思います」と話します。


写真:さらに、八戸の老舗和菓子店「丸美屋」の「雪中果」もトッピング。贅沢な一品になりました

古くから伝わるものを大切に守っていく盛岡の地で、新しいアイデアを加えていきながら、この先も老舗の味は続いていくのです。

老舗菓子店「山善」で生まれ育った奥堂和香子さん、岩手を拠点に活動する若手デザイナー松前哲さんの物語は、Yahoo!ニュースでもご紹介しています。是非ご覧ください。

若い人につなげていくため、老舗ができること/御菓子司 山善・奥堂和香子さん

“岩手らしさ”を追求するデザインを/SUBTLE DESIGN・松前哲さん

御菓子司 山善

所在地 〒020-0874 岩手県盛岡市材木町2‒21
TEL 019‒622‒2618(代表)
URL https://okashi-yamazen.com/

MOYANE協議会

所在地 〒020-0874 岩手県盛岡市南大通り1丁目1-17
TEL 019-604-5020
URL https://moyane.jp/

取材/2023年8月

有限会社玉谷製麺所
将棋駒パスタ

有限会社玉谷製麺所は、仙台市産業振興事業団が主催する
第9回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

アイディア特別賞「将棋駒パスタ」


山形県西川町。山形県のほぼ中央に位置し、月山のふもとの町として知られるこの場所で、常にチャレンジし続ける製麺所があります。それが昭和24年(1949)創業の玉谷製麺所です。

第9回「新東北みやげコンテスト」でアイディア特別賞を受賞した「将棋駒パスタ」も、数ある挑戦の中から生まれた商品です。

専務の玉谷貴子さんは「弊社は、製麺所としてこれまでにもいろいろなパスタをつくっていて、さくらんぼのパスタをつくったところ、地元のみなさんにすごく喜ばれたんです。その中で、『山形らしいパスタをつくろう』という話になりまして、ラ・フランスのパスタをつくることにしました。天童はラ・フランスの生産量が日本一なので、ラ・フランスを使ったパスタにしよう、と。形もラ・フランスにするアイデアもありましたが、もうちょっとひねったものがよくて、同じく天童が生産日本一を誇る将棋の駒にしたんです」と、開発のきっかけを話してくれました。

生地に練り込むラ・フランスは「摘果」といって、大きく育つ前に間引かれたもの。通常であれば、廃棄されてしまうものです。玉谷さんは「文献を調べると、GABAなどの栄養成分があることがわかりました。まだ若く甘くはないのですが、しっかりラ・フランスの香りはするんですよ」と話します。

そして、将棋駒パスタで何より驚かされるのが、きちんと文字が入っていること。

「相当大変だったんです(笑)。最初は『と金』だけだったんです。一番簡単なもので…と考えていたのですが、『やっぱり将棋だったら王将もほしいよね。縁起がいいから左馬もほしいよね…』となっていって…。それで3つまで増えていきました。それを駒のデザインをする職人さんに話したところ『なぜ、一番人気の飛車がないの?』と言われまして…」と、玉谷さんは当時を振り返って笑います。

デザインにあたってのポイントは4つだったそうで「金型屋さんがデザインできて、押し出したときに、美しい形状であること。ゆでても絶対に煮崩れせず、最後にそれが読めるということ。イタリアの金型屋さんと、ああでもないこうでもない、と2ヶ月間喧嘩しながら必死につくりあげました」。

イタリアの金型職人さんが漢字を理解していないこともあり「この点はいらないね、とかいうんですよ。それで、出来上がっていわれて気づいたんですけど、王将は『王将』と漢字二文字にしたんですね。これは『王』だけでもよかったのに、あの時は『王将』と入れなくては…と必死になっていて」。

実はこの「将棋駒パスタ」は、構想から出来上がるまでに3年の月日を要しています。「コロナ禍になってしまったこともあって、3年かかりました。どこへも行けない時代から、どこへでも行けるようになるよう『と金』に願いを込めました」。

将棋駒パスタが現在、天童温泉の各旅館の朝食などで提供されているようです。

この商品を発表するやいなや、意外な反響も。

「ある方から『玉谷製麺なら、自分の夢をかなえてくれるかもしれない』と持ち込みがあったんです」。


写真:「燻製堂八戸前沖さば」と将棋駒パスタを合わせ、ちょっとユニークなマカロニサラダに


写真:将棋駒パスタはホワイトソースとの相性が抜群!


写真:もちろん、ミートソースでもおいしくいただけます。「ニボリタン」のソースをかけてみました

それがなんと「ブルーインパルスパスタ」。ブルーインパルスの機体だけでなく、演目までもパスタで表現しました。「航空ショーをお皿の上で楽しんでいただけるようにデザインしました。ブルーインパルスも真上から、真横から見たものを表現しています」。

「私どもは、お客さまがほしいというものに最大限の力で応えるまでです。これまでの商品もお客さまの声で生まれてきたんですよ。なんだかんだで、チャレンジするのが好きなんですね(笑)」。

地元の声、お客さまの声に応えながら、玉谷製麺所のチャレンジはまだまだ続きます。

笑顔でさまざまな難題にもチャレンジする玉谷貴子さんのものがたりは、Yahoo!ニュースでも紹介しています。ぜひご覧ください。

有限会社玉谷製麵所

所在地 〒990-0701 山形県西村山郡西川町睦合甲242
TEL 0237-74-2817
URL https://www.tamayaseimen.co.jp/wp/

玉谷製麺ロゴ

取材/2023年8月

株式会社ロル
ニボリタン

NIBOLITAN

本州最北の地・青森県。青森に昔から根付く食文化が「煮干し」です。人口に対しての煮干しラーメン店が圧倒的に多く、青森県民は朝昼晩いつでも煮干しラーメンを食べているそう。家でつくる味噌汁や煮物も煮干しで出汁を取るのが青森のスタンダード。煮干しだけで出汁を取る地域というのは、全国でも珍しいのだそうです。


写真:煮干しの香り高い「ニボリタン」。JUSTINE COFFEEのシグニチャーメニューです

そんな青森の「煮干し」と、洋食の代表選手である「ナポリタン」が融合したのが青森市に店舗を構えるJUSTINE COFFEEの「ニボリタン」です。このユニークなネーミングとそのおいしさにほれ込んだのが、仙台を拠点とする地域商社、株式会社ロルの堀井哲平さんでした。

「8年くらい前に、弊社の系列のアパレル事業でJUSTINE COFFEEさんの2件お隣のセレクトショップでポップアップを行ったのがきっかけです。そのときに、JUSTINE COFFEEの(店主・平野)大智くんと知り合って。そのときに『ニボリタン』をいただいたのですが、そのビジュアルとおいしさにやられた!と思ったんですよね」と、堀井さんは話します。


写真:お店では、たっぷりの煮干し粉を入れてソースを仕上げます

煮干しをまるごと使用するため、まるでラメをまとったかのようにキラキラしている「ニボリタン」。パスタを一口ほおばると、濃厚な煮干しの香りが広がります。そして、その香りを追いかけるように、酸味と甘みのバランスが絶妙なソースの味わいがやってきます。生めんのパスタは、もちもちとしていて食べ応え十分。「ニボリタン」を一度でも食べたことがある人ならば「これはヤミツキになるね」と、口々に言うのも納得です。

そしてこの「ニボリタン」同様、煮干しをふんだんに使用したJUSTINE COFFEEのもうひとつのシグニチャーメニューが「ニボキーマカレー」です。


写真:JUSTINE COFFEE店主の平野大智さんと打ち合わせする㈱ロルの堀井さん

「ニボリタン」と「ニボキーマカレー」にほれ込んだ堀井さんは、この商品を通販で全国展開しようと考えました。このアイデアを聞いた、店主の平野さんも「ぜひやってみたい」と、快諾。

「まずは、クールで『ニボリタン』を販売しました。とてもおいしいのですが、賞味期限がわずか6日と短かった。お客さまから『もっと日持ちするとうれしい』などの声をいただくようになり、これをなんとかレトルトにしよう、全国の方に召し上がっていただこう、と考えました」。


写真:その味にほれ込んで、レトルト開発に乗り出したそう

「ニボリタン」のおいしさをそのまま再現してくれる事業者さんに恵まれ、商品開発は進んでいきます。小麦粉には生パスタ専用のファリーナ・ダ・サローネを使用し、生地にオリーブオイルを練り込んで滑らかな食感を実現。麺は乾燥室で48時間程かけてゆっくりと乾燥させていきます。この製造方法で、お店と変わらないもっちりとした食感のパスタになりました。

ソースは、玉ねぎとソーセージ入り。かけるだけでお店の味になります。別添えの煮干し粉をかければ、自分好みの“煮干し度”が実現可能です。


写真:そのままでもおいしいニボリタンですが、コッペパンに挟めば懐かしの「スパゲッティパン」に

現在「ニボリタン」は、オンラインショップのほか、青森市内のA-FACTORYをはじめとするおみやげ店やスーパー、アクアイグニス仙台、全国のスーパースポーツゼビオhinataキッチンなどで取り扱い中


写真:がっつり行きたい日には、チーズを乗せてオーブンへ。濃厚な「焼ニボリタン」に

堀井さんは「この商品をきっかけに、青森に行ってみたい、JUSTINE COFFEEで『ニボリタン』を食べてみたいと思ってくださる方が増えたらうれしいです」と話します。

そして、「今後も、仙台の地域商社として東北のよいもの、おいしいものを全国のみなさんに紹介し、地域活性のお手伝いができたら」と、この先のビジョンを語ってくれました。


写真:堀井さん(左)と平野さん(右)。これからもふたりのタッグは続きます

青森が誇る食文化のひとつ、「煮干し」。

「煮干し×洋食」の妙を、ぜひ「ニボリタン」で味わってみてはいかがでしょうか。

「ニボリタン」のレトルト商品化に奔走した堀井さんのものがたりは、Yahoo!ニュースでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

株式会社ロル

所在地 〒980-0804 仙台市青葉区大町1-3-7 8F
URL https://lolinc.jp/

JUSTINE COFFEE

所在地 〒030-0862 青森県青森市古川1-16-2-105
TEL 017-723-3700
URL https://justinecoffee.net/

取材/2023年8月

株式会社永勘染工場
染 CYCLING CAP

株式会社永勘染工場は、仙台市産業振興事業団が主催する
第9回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「染 CYCLING CAP(ソメ サイクリング キャップ)」


仙台市若林区南染師町(みなみそめしまち)。かつて染師たちが暮らし、染物をつくっていた町で、たった1軒、今でも染物屋として商いを続けるのが、「永勘染工場」です。明治20年(1887年)の老舗が2022年にリリースした商品が話題となっています。それが、日本屈指のブランド木綿である知多木綿を使用し、本染めでデザインを施したサイクリングキャップ「染 CYCLING CAP」です。


写真:若林区南染師町の永勘染工場。季節の暖簾が軒先にかかります

ロードバイクやマウンテンバイクなど、サイクリストがヘルメットの下にかぶるキャップ。永勘染工場と仙台のデザイン事務所「comme-nt」(コメント)のコラボレーションで生まれたもの。実は、永勘染工場のウェブサイト作成やロゴのリニューアルをした縁で、comme-nt所属のデザイナーである佐々木享さんから提案があったのだとか。


写真:永野さん(左)と談笑するデザイナーの佐々木さん(右)

永勘染工場の代表取締役・永野仁輝さんは「何か新しい商品がほしいと思っていたんです。そんなときに佐々木さんがこのアイデアを出してくれて。私もマウンテンバイクに乗るものですから、『いいね、いいね』と話が進んでいきました。チャレンジ補助金を活用して、縫製工場も宮城県内で見つけて、商品化することができました。現在は弊社の店舗のみでの販売ですが、今後は販売先を考えていきます」と話します。


写真:自転車好きが高じて、アパレルへ挑戦した佐々木さん

佐々木さんも「もともと自転車のアパレルをやりたいなという思いがあって、永勘さんの工場を撮影する機会が増えるごとに、『永勘さんの染物を使ってなにかつくれたらな』と考えるようになったんです。永野さんはどんなアイデアを出してもOKしてくれて。それも、それまでのお付き合いの中で信頼関係が築けたからだと思います」と。

個人的にサイクリングキャップをつくる自転車好きの人たちもいるそうですが、手ぬぐいをサイクリングキャップにするのは、なかなかないそう。手ぬぐいも仙台のもの、そして縫製は登米にある工場にお願いして「Made in 宮城のプロダクト」をつくることができました。つばや帽子自体の大きさにもこだわっていて、少し大きめにつくっています。僕、頭が大きいので市販のものだとちょっと小さいんですよね」と、佐々木さんは笑います。


写真:老舗の名に胡坐をかかず、新しいものを追い求める永野さん

永野さん自身もマウンテンバイクには乗るものの、「もちろんヘルメットの下にかぶるものとは知っていましたが、ロードバイクでスピードを求める方たちのものなのかな、という印象でした。自転車はコロナ禍で市場がぐっと大きくなっていて調べてみたところ、ニーズがあるのであればチャレンジしてみたいなと思いました。当社もご多分に漏れず、コロナで大きなダメージがあったものですから。法被や手ぬぐいというのはお祭りあってこそのものなので」。


写真:永勘染工場の中にある道具たち。見ているだけでも楽しい

サイクリングキャップは、被る派と被らない派に分かれるそうですが、佐々木さんは「僕はもともと被る派でした。汗を吸ってくれますし、つばがあるので日よけにもなる。ヘルメットを直接被るよりもずれない、痛くならないっていうメリットがあるんです。あとはちょっとしたおしゃれのアクセントにもなるのでいいんですよね。さらにこのキャップは軽くて締め付けがなく速乾性が良いので自信をもっておすすめできます。染 CYCLING CAPのウェブサイトやパンフレットに登場するのはみんな実際に自転車に乗っている僕の友人たちです。みんな、このキャップの良さを理解して日頃愛用してくれています」と話します。


写真:次回リリースされる3柄(下)と初回デザインのCIRCLE(左・芥子色)とMOUNTAIN(右・緑)

そして柄にもこだわりが。「WIND」「CIRCLE」「MOUNTAIN」。どれもが、自転車にまつわるキーワードからデザインされたオリジナルの柄。佐々木さんは「WINDは自転車に乗っているときに感じる風、CIRCLEは車輪やペダルが回る円運動、そしてMOUNTAINは上り坂や下り坂の辛さや楽しさ。自転車を楽しんでいる人なら誰もが共感してくれるようなテーマをオリジナルの柄にデザインしました。

8月にはアメリカニューヨークで行われたクラフトを集めたポップアップショップ「アーケードジャパン」にも出店。「あちらでの評価も楽しみですね」と永野さんは語ります。


写真:工場では職人が一枚一枚を丁寧にチェックする

また、今後は毎年3柄を加えていく予定だそうで、キャップ以外のアイテム展開も検討中だそうです。「サコッシュはつくりたいなと思っているんですけれど、ありきたりなのばかりでは面白くないと思っていて」と、佐々木さん。

目下の目標は、自転車の本場であるヨーロッパで展開することだそう。佐々木さんは「サイクルロードレースの本場ヨーロッパにポップアップショップをしに行くのもいつかやってみたいですね」と目を輝かせます。


写真:これからもタッグを組んでの商品開発は続きます

仙台の老舗染物店と、自転車をこよなく愛するデザイナーが生んだ染 CYCLING CAP。これからの展開も楽しみです。

「永勘染工場」とその伝統をつないでいく、永野さんのものがたりはYahooニュース!でもご覧いただけます。

株式会社永勘染工場

所在地 〒984-0814 宮城県仙台市若林区南染師町13番地
TEL 022-223-7054
営業時間 午前9:00~午後5:30
URLhttps://nagakan.jp/

取材/2023年7月

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。