仙台木工男子
dessert(デザート)代表 水越卓也さん

2017年5月22日

仙台市青葉区にある宮町商店街。どこか懐かしいまちなみにやさしい木の香りを漂わせ、家具・建具、雑貨を生み出す「dessert(デザート)」水越さんにお話を伺ってきました。

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dessertさんでは、オーダーメイドやオリジナルの家具・建具製作から、店舗や住宅の設計施工まで幅広く手がけていらっしゃいます。設立のきっかけを教えてください。

大規模建築を得意とする建築設計事務所で働いていたときに出会った、職人さんのものづくりへの姿勢に感銘を受けたのがそもそものきっかけです。現場のことをよく知らずに机上で図面を引いている自分に疑問を感じ、ものづくりを原点から学びたいと思いました。退社後、家具製作や店舗の設計施工の仕事を経験し、2006年に独立しました。

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この工房は、いつ頃からあるんですか?

東日本大震災の後ですね。荒浜方面の二木(仙台市若林区沿岸地区)に工房を構えていたんですが、津波で被災してしまって。移転先をいろいろと探していたときに建具屋だったこの場所に偶然めぐり合い、昔ながらの町工場のような雰囲気が気に入り決めました。

オリジナル家具もいろいろ制作されていますね。

手がけるようになったのはここ2〜3年のことです。知人との合同展示会がきっかけで、つくりはじめました。お客さまのご要望をどうしたら解決できるかをあれこれ考えながらつくるオーダーメイドはもちろん好きなんですが、自分発信でも何かつくってみたいなと思うようになって。この椅子もオリジナルで、息子が1歳になった記念につくったものがベースになっています。成長しながらともに時を重ねていけたら素敵だなと思い、わざと高めにつくってあるんです。使っていくうちにできる傷も、後々思い出として楽しめるといいなと思います。

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お子さんの誕生をきっかけに生まれた椅子、「small chair」since2010。

インテリア雑貨もかわいいですね!

見た目はシンプルですが、構想にすごく時間をかけています。蝶ネクタイにもなるこの商品は、もともとは無垢材製品の割れの補修や接合の補強に使われてきた「千切り(ちぎり)」というものです。オリジナルでの製作は、何もないところからアイデアを生み出し試行錯誤を重ねて形にするまでの流れが、大変ではありますがとてもおもしろいですね。

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千切り(ちぎり)から生まれたオリジナル雑貨

アイデアはどんなところから生まれてくるんでしょうか?

アイデアが生まれてくるのは、普段の生活でちょっと困ったことがあったり、改善の余地や必要性を感じたときが多いですね。内装のお仕事は特に同世代のお客さまが多いので、私の生活をベースにした提案を喜んでいただけることがとても多いんです。

今後の展望をお聞かせください。

オリジナルの提案に力を入れていきたいと考えています。展示会など、自分のアイデアが発表できる機会をもっとたくさんつくっていきたいですね。僕を信頼し製作を依頼してくださる方々への感謝を忘れず、家具や雑貨などを通じて生活の中の何気ない心地よさを提供できたら嬉しいですね。

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水越さんの手がけられたものにやさしさを感じるのは、対話を重ねていねいにつくられているからなのだと感じました。木のぬくもりや心地よさで幸せな人が増えていくのが楽しみです。

オリジナルダイニング制作はいかがですか?

「永く寄りそえる」がコンセプトのオリジナルダイニング(テーブル・チェア・ベンチ)。無垢材の自然のままの色や木目は、経年変化も楽しむことができておすすめです。

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dessert(デザート)

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