季節の変わり目、薬膳で快適に

「医食同源」の言葉通り、食べるものが健康に与える影響はとても大きなもの。

特に季節の変わり目は、体調も変わりやすくなるもの。

そこで、この時期、ぜひ食事に取り入れたい食材を漢方臨床指導士・漢方カウンセラーとして活躍する大町桜花枝さんにうかがいました。

「自律神経のバランス調整」の役割のある
【肝】に注目


立春を過ぎて暖かな日も増え、いよいよ春の訪れが近くなりました。

大町さんは「冬眠していた動物たちが動き出し、草木が芽吹くのが春。人も冬の間あらゆる機能が緩やかになっていた状態からようやく活発に動くモードへと切り替わります。緩やかになっていた分、身体は老廃物などで滞りがちに。そんな春は『解毒』と『自律神経のバランス調整』の役割のある【肝】に注目します」と話します。

活発モードへとエンジンがかかると、【肝】の気が高ぶりやすくなるのだそうで、「高ぶりは上へあがる傾向があるためイライラ、目の充血、不眠、花粉症など頭部に症状が出やすく、また血圧の上昇などが現れます。よく怒る表現で『頭にくる』という言葉を使いますがこれは肝の気の上昇が招くイライラの症状を指しているんです。この肝の高ぶりをセーブするためにゆったりと散歩をしたり、アロマやハーブなどを取り入れたり、新鮮な空気をたっぷり呼吸したりすることを心掛けるのがおすすめです」。



【肝】が高ぶるこの季節におすすめの食材をうかがうと、「ニラやもやしなど成長のはやい野菜です。また、肝の気を抑え、血を補う食材であるあさりやほうれん草、小松菜などを積極的に摂りましょう」とのこと。

そこで大町さんおすすめのレシピをうかがうと、「ほうれん草と豆乳のスープ」「ニラともやしのチヂミ」「ニラ玉」を挙げてくださいました。

まずは、ほうれん草と豆乳のスープから。材料は、

・ちぢみほうれん草
・じゃがいも
・豆乳
・コンソメ顆粒



ちぢみほうれん草とじゃがいもをクツクツに煮てミキサーにかけ、ペースト状に。これに豆乳を入れて鍋にかけ、お好みで黒コショウをかければできあがり。色はなかなかパンチがありますが、優しい味で、寒い朝におすすめです。

続いては、「ニラともやしのチヂミ」。材料は、
・ニラ
・もやし
・小麦粉☆
・片栗粉(小麦粉の半量)☆
・鶏がらスープの素(韓国のダシダだとより本格的な味に)
・水☆



☆でチヂミの生地をつくります。もちろん、市販のチヂミの素でもOK。ニラを食べやすい大きさに切ったらもやしと一緒に生地に入れて混ぜ、ごま油をひいたフライパンで焼きます。
タレはしょうゆ、酢、ラー油を入れたオーソドックスなものと、「無添加浜ののりマヨ」を用意。

そして最後は、「ニラ玉」。材料は、
・ニラ
・卵
・塩、コショウ
・オイスターソース

卵を割って塩コショウ、オイスターソースを入れて溶き卵をつくります。ニラを食べやすい大きさに切って溶き卵に入れ、油をひいたフライパンで焼くだけ。仕上げに「無添加浜ののりだれ」をかけて、磯の香のする一品に仕上げます。ビールにもぴったりなので、お休みの日のちょっと遅めのランチにいかが?

どれも簡単にできてしまう一品。
漢方理論を上手に取り入れて、季節の変わり目を快適に過ごしましょう!

合同会社fluir
無添加 浜ののりだれ食べ比べ3種セット

合同会社fluirは、仙台市産業振興事業団が主催する
第10回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

最優秀賞 無添加 浜ののりだれ 食べ比べ3種セット



2021年の「新東北みやげコンテスト」でお取り寄せ特別賞を受賞した「浜ののりだれ定番セット」。皇室献上品としても名高い宮城県七ヶ浜の海苔をふんだんに使ったこの商品が、なんと無添加バージョンが発売されました。その名も「無添加 浜ののりだれ 食べ比べ3種セット」です。

「第10回新東北みやげコンテスト」で最優秀賞に輝いたこの商品。
開発を手掛けたのは、七ヶ浜のカフェレストラン「SEA SAW」(合同会社fluir)マネージャーの加藤真子さんです。授賞式の壇上にあがった加藤さんは、喜びの涙を流し「最優秀賞だけを目指して開発しました」と、スピーチ。その姿に会場ではもらい泣きをする人もいたほどでした。


写真:「浜ののりだれ」の製造に追われているため、4月まではカフェの営業は土日祝日のみだそう

授賞式から2カ月後「SEA SAW」を訪ねると、「無添加 浜ののりだれ」の生産に大忙しの中、加藤さんと「SEA SAW」のオーナーで加藤さんの夫である久保田靖明さんが出迎えてくれました。

すでに「新東北みやげコンテスト」で受賞した「浜ののりだれ」を無添加にした理由を尋ねると、加藤さんは「ブラッシュアップしようと思ったのは、販売会などで添加物について聞かれることがあったからです。特に、マカオでの販売会では海外の方たちの健康意識の高さをオーナーが感じたようで、『添加物を抜いて出したい』と言われて」と話してくれました。


写真:マカオでの販売会がきっかけで、無添加の「のりだれ」をつくる決意をしたそう

「私たちがつくる工程では添加物は入れていないのですが、使用しているだし醤油にアミノ酸を使用していたので、表記しなくてはならなかったんですね。それで、そのだし醤油をつくっている蔵元さんに相談して無添加のだし醤油をつくっていただくことにして。アミノ酸を抜いただけでもだいぶ味も変わりました。また、今まではオリーブオイルでつくっていたのですが、油を米油に変更しました。その理由は、オリーブオイルの原価が高いこと、シンプルにご飯のお供として食べるのにはちょっと重かったからです。それに、オリーブオイルは海外のものになってしまうけれど、米油だったら国産のものが使えますから」と、加藤さん。


写真:これまでの「浜ののりだれ」と比べ、「無添加浜ののりだれ」はコンパクトに

「無添加浜ののりだれ」は、これまでの「浜ののりだれ」よりサイズもコンパクトに。
久保田さんは「おみやげに特化していくと、やはり食べたことがない人たちが対象になってくるので、手が伸ばしやすい大きさがいいだろうと考えたからです。1回か2回で使い切る大きさでなおかつ、食べ比べできるようにしました。また、今後アジアでの展開を考えていたので、パッケージデザインにも金の箔押しを採用しました」と。


写真:「無添加浜ののりだれ」を混ぜたパテに「無添加浜ののりマヨ」を合わせてハンバーガーに。海苔の風味がしっかり味わえる和風バーガーに仕上がりました

2年前の「新東北みやげコンテスト」では、お取り寄せ特別賞。
「悔しくて、悔しくて。ただ、私たちもおみやげをつくったことがなかったから、どういうものが評価されるのかわからなくて。味では絶対に負けないいいものをつくっている自負があるので、もしも見た目で損をしているなら絶対改善しようって思ったんですよ」と、久保田さん。
加藤さんも「オーナーは本当に悔しがっていて、『絶対リベンジするぞ!』って(笑)。今回は、最優秀賞だけを目標にしていたので、受賞できたときは本当にうれしかったです」と笑顔で話してくれました。


写真:卵液に「無添加浜ののりだれ」をまぜて卵焼きに。和食の日の一品にどうぞ

最優秀賞を受賞後、NHKの「てれまさむね」、ミヤギテレビの「OH!バンデス」で紹介され、一時は在庫が足りなくなるほどの注文が入ったのだそう。

さらに久保田さんは、あの超人気YouTubeチャンネル「令和の虎」にも出演。これは、起業家や事業者が事業計画をプレゼンテーションし、投資家である審査員の「虎」たちに出資をしてもらう…というリアリティショーで、チャンネル登録者数は110万人を超えます。
久保田さんは「無添加浜ののりだれ」をプレゼンしました。その結末は、YouTubeを見てのお楽しみですが、久保田さんは「この『新東北みやげコンテスト』の最優秀賞をきっかけに、いろいろなことが動いてきて、ありがたい限りです」と。
加藤さんも「七ヶ浜の海苔のおいしさを日本全国の人、世界中の人に知ってもらいたい。七ヶ浜の海苔って本当においしいんですけれど、まだまだ認知度は低いと感じるので、『のりだれ』があることで、七ヶ浜の海苔はおいしいんだよっていうことを伝えたいです」と話します。


写真:シンプルにご飯のおともとして

七ヶ浜で生まれた「浜ののりだれ」は、日本、そしてこれから世界を席巻していくのです。

「浜ののりだれ」の生みの親、加藤真子さんのものがたりは、Yahoo!ニュースでご紹介しています。是非ご覧ください。

七ヶ浜のカフェレストラン「SEA SAW」(合同会社fluir)

所在地 〒985-0811 宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田浜長砂20-8
TEL 022-355-9119
URL https://www.seasaw.me/

取材/2024年1月

みやぎのあられ株式会社
やみつきスパイスカレーあられ

みやぎのあられ株式会社は、仙台市産業振興事業団が主催する
第9回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞 やみつきスパイスカレーあられ


宮城県亘理町に暖簾を構える「みやぎのあられ」。

安全安心な商品づくりにこだわり、自分たちでつくったもち米を手づくりであられにして販売しています。

あられの原料となるもち米は、宮城県のブランド米「みやこがねもち」。お店のすぐ目の前にある5haの田んぼで栽培し、自分たちで精米して「もち状」に。板状にしたもちを数日間かけて天日干しして、素材のおいしさを最大限に引き出します。

調味料には、宮城県産の無添加醤油や味噌、そのほか宮城県産の海産物を使用しており、とことん安全安心にこだわったおかきづくりをしています。


写真:宮城県亘理町に暖簾を構える「みやぎのあられ」。お店の目の前の田んぼでお米を育てています

新東北みやげコンテストでお取り寄せ特別賞を受賞した「やみつきスパイスカレーあられ」もそんなみやぎのあられの自慢の商品のひとつ。

開発をした石田亮平さんは「コロナ禍でいつもの仕事が少なくなってしまって時間ができたんですね。そのときに新しい商品づくりをしようと考えて、『そういえば、カレー味やってみたかったよな。自分の好きなカレーライスをあられにしよう』と思って。それでいろいろなカレー屋さんに食べに行って、それぞれのお店のいいところを集めたような味にしたんです」と話します。


写真:「やみつきスパイスカレーあられ」の商品開発を担当した石田さん

使用したスパイスはなんと10種。

「これをつくるまで、スパイスは花椒くらいしか使ったことがなかたんです。今回試作にあたって、いろんなスパイスの食味を確認してこんなにもいろんな味があるんだ、と知りました。『あ、クミン好きかも。クミンをもっと足してみよう』とか、足しては引いて引いては足して…を繰り返しました」

6年前から商品開発にかかわることになったという、石田さん。

「僕の父が創業者で、もうすでに私が生まれる前には『あられ屋さん』でした。もともとうちは祖父が雑穀商をしていたんですが、東京に商談に行ったときにあられが飛ぶように売れているのを見て、『うちの米はうまいから、それであられをつくったら、うまいあられができるのではないか』と思ったらしいんです。それで自分の息子に『あられ屋をやれ』と。父は真面目なので、祖父の一言で創業したようです。父のときは海苔巻きなど、割と定番商品が多かったんですが、私になってからはいろいろつくるようになりました。食事に行ったときなんかにヒントを得ることが多いですね」


写真:大人の味わいの「やみつきスパイスカレーあられ」は、赤ワインとの相性も抜群

「やみつきスパイスカレーあられ」以外にも、「松島のり」「ゆず仙台味噌」「気仙沼かつお」「蔵王バター」など、名前だけでそそられる商品がそろうみやぎのあられのラインナップ。

取材中も神奈川からやってきたという女性が店頭にはない商品を買い求めており、根強いファンがいることが垣間見られました。その女性客は「こちらの商品は、本当においしいんです。余計なものが入っていないし、おやつでもお酒のおつまみにもなるんですよ」と教えてくれました。


写真:取材当日は、「海苔巻きの日」。工場ではスタッフのみなさんが丁寧に海苔を巻いていました

石田さんは「うちのあられは、スーパーに並んでいるようなものと比べると倍くらいの値段がするんです。でも、余計なものは入れず、ひとつひとつ丁寧に手作りしているので、ぜひ一度味わってほしいです。日常づかいで味わっていただければ」と話します。


写真:「やみつきスパイスカレーあられ」を砕いて、サラダのアクセントに。ドレッシングは、「浜ののりドレ」をチョイス


写真:もしもあられが湿気てしまったら、砕いてフライの衣に。白身魚がほんのりカレー味になって、いつもと違う味わいが楽しめますよ

無添加で丁寧に手づくりされたみやぎのあられの商品。

「やみつきスパイスカレーあられ」だけでなく、さまざまなフレーバーを試してみてはいかがでしょうか。ギフトにも喜ばれますよ。

みやぎのあられ株式会社

所在地 〒989-2371 宮城県亘理郡亘理町鹿島吹田51
TEL 0223-34-1417
URL https://www.miyaginoarare.co.jp/

取材/2024年1月

協同組合八食センター
燻製堂 八戸前沖さば

協同組合八食センターは、仙台市産業振興事業団が主催する
第9回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

地域性特別賞 燻製堂 八戸前沖さば

※現在、休販中となっております。


青森県八戸市。

新鮮な魚介が楽しめる港町で、屈指の観光・グルメスポットといえるのが「八食センター」です。八戸近海でとれた鮮魚だけでなく、水産加工品、地元で長く愛されているお菓子…などなどいろいろなお店が軒を連ねています。

その「食のアミューズメント施設」である「八食センター」が、自社ブランドを立ち上げました。それが「燻製堂 八戸前沖さば」です。


写真:八食センターが満を持して開発した「燻製堂 八戸前沖さば」

商品開発に携わった清川貴迪さんは「コロナ禍でECサイトを中心としたインターネットでの販路をつくっていこう、そのために新しい商品づくりをしようということで始まりました。八食センターには60数店舗の組合員・テナントさんが入っておられるのですが、『これが私たち八食センターです』という八食オリジナル商品がなくて。今後、コロナの影響がなくなったとしても、自分たちの商品は必要だよね、というのが開発のきっかけです」と話します。


写真:平日の昼でも多くのお客さまたちでにぎわう八食センター

イカやイワシなどほかにもさまざまな魚が水揚げされる八戸。その中で八戸が誇るブランド魚「八戸前沖さば」を最初の商材に選んだのは、「まず、一般のお客さまに馴染みのある魚がよいだろうということになりました。実際に国内にある魚を使った燻製商品では、さばが圧倒的に多かったんです。そして、最初の導入期でたくさんつくることができないことも踏まえて、商品自体は『非効率的でも特徴づけをしっかりしよう』ということになりました」と、清川さん。


写真:八食センターで売られていたさば

八戸前沖さばの中でも特に大型の「銀鯖」を一夜干しし、リンゴ(剪定枝)のウッドチップを使用した熱を通さない「冷燻」という手法で燻した「燻製さば」をつくりました。さばの名産地だけあって、燻製も一般的なのかと伺うと、清川さんは「いえいえ。もうこれは趣味の世界ですね(笑)。でも、コロナ禍でひとりキャンプなどが流行って、ただ魚や肉を焼いて食べるというよりも少しの手間暇をかける食べ方として「燻製」という手法がインターネット上でも検索されて人気もでるだろうと想定していたので、大衆向けではないと思いますが、そういったこともアイディアの一つとして考えました」と話してくれました。


写真:燻製堂の開発を担当した八食センターの清川さん

八戸圏域の豊かな自然を表現した商品にするため、燻製チップにはお隣の南部町で生産された青森リンゴの剪定枝を再利用。さらに、八戸市内の老舗醤油店「甲文醤油」の醤油を風味付けに使用し、八戸圏域ならではの商品に仕上がりました。

「燻製のチップもそうですが、醤油も割合をどうするとか、本当に何通りもある中から八食センターの看板を背負う商品をつくらなければならなかったので、そこは苦労したところかもしれません。味付けの試作期間は半年くらいだったのですが、『もうしばらくさばは食べなくていいかな』というくらい食べました(笑)」


写真:バンズに挟んでさばバーガーに。スモーキーな香りが食欲をそそります

常温で保存でき、賞味期限は製造から180日。レトルトなのですぐに食べることができるので、防災用にストックしておくことも可能です。


写真:ほぐしてサラダのトッピングにどうぞ

「今後も燻製堂シリーズとして漁業者と協働しながらやっていけたらいいですね。そして八戸の魅力をもっとPRしたいですね」と清川さんは話します。

これからの燻製堂シリーズがどのように展開していくのか、楽しみです。

※現在、休販中となっております。

協同組合八食センター

所在地 〒039-1161 青森県八戸市河原木字神才22-2
TEL 0178-28-9311
URL https://www.849net.com/

取材/2024年1月