「暮らす仙台」スタイル
ハロウィンの食卓を楽しもう!<後編>

「暮らす仙台」スタイルハロウィンの食卓<前編>

\10月31日は「ハロウィン」/

編集部では、「これまでに『暮らす仙台』で紹介してきた商品を使って、ハロウィンパーティーをしようじゃないか!」ということで、さまざまなレシピを考案してみました。どれもこれも、簡単につくれるものばかり。お友達を迎えて、それとも家族と一緒に。あるいは、ひとりでのお楽しみとして…。今年のハロウィンは、ぜひ、東北の「よいもの」をつかってごちそうをご自宅でもつくってみてくださいね。

それではさっそく、レシピのご紹介を。


ハロウィンのモチーフとして欠かせないのが、おばけやコウモリ。ちょっと怖いイメージのあるおばけとコウモリを、ハンバーグにして食べちゃいます。

今回は、ひき肉に「浜ののりドレ」で黒色に仕上げたおばけとコウモリをつくります。ハンバーグのタネを真っ黒にしたい場合は、練りごまを加えるとより黒い個体が出来上がりますよ。

材料は、ひき肉、パン粉、卵に「浜ののりドレ」。そして、顔をつくるためにスライスチーズを用意します。

これらを混ぜて、耳たぶくらいの固さになったら形成します。トレイの上にクッキングシートをしいて、粘土細工のようにおばけとコウモリをつくります。


160度に余熱したオーブンで15~20分程度焼きます。できあがったら、チーズをのせて、爪楊枝に練りごまをとって顔を描きます。編集部でイメージしたのは、映画「スクリーム」だったのですけれど、なんだか違うものになってしまった気が…。絵心のなさはお許しください。


続いてもおばけです。



これは、「蔵王チーズ大福」にチョコレートペンで顔を描くだけの簡単スイーツ。でも、ふたりのおしゃべりする声が聞こえてきそうで、いとおしくありませんか?

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「暮らす仙台」スタイル
ハロウィンの食卓を楽しもう!<前編>

\10月31日は「ハロウィン」/

編集部では、「これまでに『暮らす仙台』で紹介してきた商品を使って、ハロウィンパーティーをしようじゃないか!」ということで、さまざまなレシピを考案してみました。どれもこれも簡単につくれるものばかり。ぜひ、ご自宅でもつくってみてくださいね。

そしてハロウィンの食卓を楽しみましょう!

さて、いつの間にか、日本でも季節のイベントとして定着した「ハロウィン」ですが、そもそもどのようなものなのか、豆知識を…。

それではさっそく、レシピのご紹介を。


ハロウィンといえば、カボチャです。目と口をくりぬいたジャック・オーランタンは、ハロウィンのシンボル。しかも、この季節の旬の野菜でもあります。

今回は、「武田の笹かまぼこ」をお化けに見立てた、「かぼちゃのポタージュ」をつくります。

材料は、カボチャ、牛乳、顆粒のコンソメスープ、黒コショウ。もしあれば、パルミジャーノレッジャーノを削り入れると、濃厚な味わいになりますよ。

カボチャは上部をカットして種を除き、スプーンを使って身をこそげ取ります(A)。ラップして600Wの電子レンジで2分ほど加熱してから行うと、簡単に身を取り出すことができます。


(A)を再び600Wで2分加熱し、牛乳を加えてミキサーにかけます(B)。

(B)鍋で温め、顆粒のコンソメスープと黒コショウで味を調えます。

「武田の笹かまぼこ」は、お化けの手の部分に切れ込みを入れ、下半分をカットします。お化けの顔を練り黒ゴマで描きます(海苔などでもOK)。



カットした笹かまぼこは、細かく刻んでポタージュの中へ。ポタージュができたら、カボチャの器に戻します。
お化けに爪ようじをさしておくと、簡単にカボチャの器にさすことができます。

続いてもカボチャです。


とはいえ、カボチャは使用せず、ごはんでジャック・オー・ランタンをつくります。

ごはんに福島の銘品「とまと味噌(ワンダーファーム)」を入れ、色をつけます。


ごはんはラップに包んで巾着をつくるように絞り、スプーンの側面で縦に線を入れます。



海苔でジャック・オー・ランタンの顔をつくり、ピーマンのへたを刺せば、ジャック・オー・ランタンのできあがり。周りをベビーリーフなどで飾っても、ちょっとパンチがほしければ「金華スープカレー」(石巻うまいもの株式会社)などを添えても抜群においしくなります。

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株式会社秋田まるごと加工
「秋田ふぐ白子ムース」

株式会社秋田まるごと加工は、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

地域性特別賞「秋田ふぐ白子ムース」



秋田県が、ふぐの水揚げで国内10指に入ることを知っていますか?西日本のイメージが強いふぐ。実は秋田では年間160トンもの水揚げがあり、秋田港のある秋田市土崎地区は、「北限の天然ふぐ」の名産地なのです。春と秋の水揚げの際には、「ふぐ祭り」が行われ、参加するお店が腕を競います。そして、県内外からも大勢の人がこのおいしいふぐを目当てに土崎地区を訪れます。



そんな土崎地区で生まれた逸品が「秋田ふぐ白子ムース」。つくっているのは、ふぐの水産加工を行う「秋田まるごと加工」です。

商品開発をした代表取締役の畑中雄也さんは「昔から、日本海ではふぐが獲れるんです。とらふぐが3月からゴールデンウィークころまで。そこからまふぐ、ごまふぐが揚がって秋ごろまで。最近でこそ、うちでも量販店にふぐの刺身をいれるようになってはきましたが、実は地元ではあまり食べられてこなかったんです。首都圏で高値で取引されていて、地元のいいものが外に流れていってしまっていたんです」と教えてくれました。


写真:秋田ふぐのうま味が凝縮された絶品ムース

そんな秋田のふぐをもっともっと世に知らせたい!と畑中さんがつくったのが、ふぐを使った加工品の数々です。

畑中さんは「秋田県産のとらふぐと西日本のとらふぐは最大で25%うま味が違うんです。これはどうやら、海流が関係してしているらしく、秋田のふぐは海流が強いところで泳ぐので、成長は遅いけれど餌をその分長く食べるので、うま味成分が強いのではないかということでした」と教えてくれました。


写真:軽くトーストしたバゲットに白子ムースを塗るだけで、ワインにピッタリのおつまみに

そのうま味を存分に凝縮したのが「秋田白子ムース」です。秋田県産の天然ごまふぐととらふぐの白子をチーズと混ぜ、とらふぐなどの出汁で溶き、そこに秋田味噌や自家製のふぐの魚醤で味付け。コクがあってクリーミーで、絶品です。


写真:ジェノベーゼパスタに乗せて、少しずつ混ぜながら“味変”を楽しめます

「西日本では、ふぐの濁りをとって『ふく』と呼びます。そして、ハレの日の食事として食べるんです。なので、この商品も、週末のちょっといい食事や、日常を彩る商品として召し上がっていただきたいと思います。『白子のムース』をブルスケッタに乗せて召し上がっていただくと、ワインなんかのおともに最適ですよ」。


写真:ガスパチョに落として、クリーミーな仕上がりに

1000円ちょっとで食べれらるこの「秋田ふぐ白子ムース」は、いつもの食事をリッチな気持ちにしてくれます。なんともコスパのいいこのアイテムを、ぜひあなたの食卓にいかがですか?

「よいもの」ページはコチラ

「秋田ふぐ白子ムース」の生みの親、畑中さん自身の物語は
「Yahoo!JAPANニュース」でも読めます。
ぜひご覧ください。

株式会社秋田まるごと加工

所在地 〒011-0941 秋田県秋田市土崎港北5-5-42
TEL 018-827-6883
FAX 018-857-2789
URL http://akita-fugu.com/

取材/2022年7月

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。

よいみせ│森民酒造本家「森民茶房」甘酒カフェ

原点回帰の「甘酒」が人気のカフェ

2022年3月。仙台市街唯一の酒蔵である森民酒造本家が、大規模な改修を終え、生まれ変わりました。そして6月には「森民茶房」をオープン。市民に愛される場所として、賑わいを見せています。森民酒造本家の創業は、嘉永二年(1849年)。蔵の歴史について、森民酒造6代目の森徳英さんは、「初代の民蔵は、岩手県南部地方の出身。杜氏グループに加わっていて、酒造りの知識があったようなんです。20歳前後で実家を飛び出した民蔵は、南部地方伝統の甘酒を仕込んで売り歩き、それが大変な評判だったようです」と話します。

当時伊達藩の麹の専売を行ってきた御譜代町である荒町にたどり着いた民蔵さんは、この場所にあった麹蔵が商売仕舞いをすると聞いて買取り、酒造りを始めました。これが、森民酒造本家のはじまり。

173年の時を超えて、民蔵さんの行商姿をロゴマークにした茶房を開いた徳英さん。「カフェの場所には、蔵があったんですけれど、震災で結構なダメージを受けてしまったんですね。でも、先代である祖母が『蔵に手を入れたら、ご先祖様から罰が当たる』って頑なで(笑)。でも、お酒を造るのには厳しい状況になっていたので、令和元年に祖母が亡くなって、相続関係が終わってから蔵を改造することにしたんです。ちょうどコロナもあって、休業するにはいいタイミングでした。そこから2年弱、蔵をバラして、梁を組んで、むかしのものをそのまま使って完成しました」。

徳英さんがこのカフェを開いた理由は3つ。「一つ目は、原点回帰で甘酒を売っていきたいと思ったこと。二つ目は、今、日本酒に限らず、お酒を飲む人が減ってきているんです。ここから情報発信して、多くの人に関心をもってもらいたい、間口を広めたいということ。三つ目は、酒粕が活躍する場面を作りたかったこと。2、30年前までは、漬物屋さんが大量に酒粕を購入して、西京漬けなどを漬けていたんですけれど、今や日本ではなく海外で漬けているようで、酒粕の需要がなくなってきているんですよ」。

地域とともに、盛り上がっていけたら

明るい雰囲気の店内では、女性客を中心に絶え間なくお客さまがやってきます。そのお客さまの半数以上が注文するのが、看板メニューの「甘酒」です。

「甘酒は、初代・民蔵のレシピもあります。初代のレシピは、麹の甘酒ですが、夏場は麹を作るのが難しいので、夏場は酒粕を使った甘酒を提供しています。これから涼しくなってきたら、麹を使用した甘酒にも挑戦しようと考えています。甘酒はアルコール分を飛ばしてあるので、車で来ても、お子さんでも大丈夫ですよ」。

荒町に新たに集える場所を作った徳英さん。今後の展望をお聞きしました。「今は夕方まで営業のカフェですが、せっかくここでお酒を造っているのに飲めないのはどうなのかな、と(笑)。今後ナイトタイムとして、地域と共に盛り上がっていけたらいいなと思って。うちのお酒をみなさんにいろいろ飲み比べてほしいし、開かれた蔵造りをしてみたいんです」。

仙台駅からも徒歩圏内の老舗酒造は、6代目のアイデアとパワーでますますの進化を遂げていくことでしょう。

森民酒造本家「森民茶房」甘酒カフェ

所在地:〒984-0073 仙台市若林区荒町53番地
営業時間:水~日・祝 10:30-20:00(19:30LO.)
※月・火 17:30 close
定休日:不定休
TEL:022-724-7236
URL:https://moritami.jp/

アルファ電子株式会社
「う米めん」

アルファ電子株式会社は、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

アイディア特別賞「う米めん」

福島県天栄村に本社を構えるアルファ電子株式会社。電子部品の製造販売を行うこの会社で、米粉を使った麺「う米めん」が誕生しました。なぜ電子部品の会社で、米粉麺なのでしょうか?

その誕生秘話を専務取締役である樽川千香子さんに伺いました。


写真:アルファ電子株式会社専務の樽川千香子さん。かわいらしい見た目に、最上級のパワーを秘めた女性です

取材にお邪魔したのは、同じ福島県内の郡山市にある日本大学工学部のキャンパス。ここにあるものづくりのための起業支援施設「インキュベーションセンター」で、樽川さんはものづくりのアイディアを生み出しているのです。

樽川さんは、「アルファ電子は祖父が創業者で、お客さまの計画に左右される業態です。ともすると、『来週の仕事がない』というようなこともあり、160人の従業員を抱える弊社では、このままでは立ち行かなくなるのが明白でした。父も医療機器やエネルギー事業への転換を図ってはいましたが、自社商品づくりをテーマに考えていこう、と。自社製品で、自社の努力で売れる商品をつくりたかったんです」。

最初に挑戦したのは、電子機器でした。しかし、大きな壁が立ちはだかります。「超音波で体を温める機械をつくろうとしました。クラファンで600万円ほど集まったのですが、製造に必要なのは3,000万だったんです。電子機器は、資金、人、技術、設備も必要で、本当に難しい。そこで、これまでの自分のご縁や努力でできる商品づくりに切り替えたんです。私は食べることが好きだし、女性、そして母であることを生かせないかと考えました」。


写真:樽川さんの努力の結晶である「う米めん」

そのときに、樽川さんの脳裏に浮かんだのは、東日本大震災の後、母子避難で身を寄せていた新潟県でお世話になったという方の顔でした。

「新しいことにチャレンジしたいというお話をしたら、『佐渡で、電子部品の会社が米粉の生産に取り組んでいるよ』と教えてくださって。すぐに現地に伺って、米粉の可能性に驚きました。米粉のパン、麺、スイーツなどを食べさせていただいて、まずそのおいしさに感動したんです。それで、すぐに福島に持ち帰って、父に相談して米粉商品の開発をスタートさせました」。

2019年夏、樽川さんの新たなチャレンジが始まりました。

「まず、佐渡から米粉を送ってもらって製麺を始めました。郡山にある製麺会社の試作室で成分表を見ながら、半年かけてなんとか形になったんです。資金は、厚生労働省の助成金を活用しました。なんとか形になったので、2020年に大阪の展示会に出店したんです。

かなりの評価をいただいたのですが、一つ問題がありまして。安心安全にこだわって添加物を入れていなかったので、賞味期限が3日と短くて。でも、私は賞味期限を長くするために食品添加物を入れて、『それを娘に食べさせられるか?』と聞かれたら、答えはNOでした。さらに、展示会でご一緒したある方に『これ、うまくないな』とはっきり言われてしまったんです。その方は『宮城県で、米粉とでんぷんだけで製麺をしている会社があるから、紹介する』とおっしゃっていただいて、宮城で製麺を行うことになりました」。


写真:白米中太麺は、うどんのようなツルっ、シコっとした食感が特徴。さらに、調理のしやすさも、台所に立つ人間にはうれしいもの。お出汁の風味豊かなつゆに、生姜とネギのシンプルなトッピングで素うどん風に

宮城県に製麺の拠点を移す際に、樽川さんはもう一つの決心をします。「『福島の企業がなぜ新潟の米粉?』とよく聞かれました。確かに、ご縁のあったところではありましたが、当時はまだまだ福島の食品に対する風評被害もあって。

でも、『やっぱり、福島から逃げずに福島のお米を使おう。おいしいものをつくろう』と決意したんです」。

よりおいしい麺にするために、樽川さんは工学院大学(東京都)の山田昌治教授の協力を仰ぎます。「教授は『麺の科学』という本を出している方で、『小麦の麺、パン、米粉のパンまでは研究したけれど、麺はまだないからやってみよう』とおっしゃってくださって。実際に食感の改良、香り、米の選定からいろいろ実験していただきました。

『う米めん』は2種類あるのですが、白い麺は『天のつぶ』という福島県のブランド米を使用した、うどんのような麺です。讃岐うどんと稲庭うどんの中間のコシを実現しました。茶色い麺は、『コシヒカリ』の焙煎した玄米を使用していて、コーヒーやアーモンドのような香ばしい香気が検知されています。生パスタやフィットチーネのようなもちもち感がある麺に仕上がりました」。

こうした食感や香気など、すべてを科学的データに拠ったのも、もともとが電子部品製造の会社であるがゆえ。「きちんと根拠をもって、なぜいいものができるのか。それがトレースできるのが大事だと考えています。理由があるからおいしいんですね。ただおいしいのではなく、なぜおいしいのかを私たちは、大事にしています」。


写真:玄米太麺は、「浜ののりだれ」と和えて「シーフードのりパスタ」にアレンジ。レモンとバジルで仕上げ、夏でもさっぱりの冷製パスタになりますよ

こうした科学的根拠に支えられ、極上の麺へと仕上がった「う米めん」は、仙台市産業振興事業団が主催する「新東北みやげコンテスト」でアイディア特別賞を受賞。「私たちの取り組みについて賞をいただいたことはあったのですが、商品自体が賞をいただけたのは初めてのことで。とてもうれしかったです」と、樽川さんは笑顔をのぞかせてました。

そして今年、2022年8月からは、工場を稼働させ、完全に自社での生産が可能になりました。

「事業再構築補助金が採択されて、福島のお米を使った米粉麺を福島で生産できることになりました。私たちは、ものづくりの会社で、自分たちでつくることを大事にしたいと考えています。ですので、この『う米めん』はもちろんですが、今後米粉麺をつくってみたいという人や企業さまのためのOEM(※)にも力を入れていきたいと思います」。

実際に、OEMについては農家や九州、山梨の企業から問い合わせがきているそうで、「地元のお米で麺をつくりたいと思っている方が、こんなにいるんだな、と。各地の地域商社のみなさんと組んで、各地のお米の麺をつくれたら楽しいですね」と、樽川さん。

※OEM=他社ブランドの製品を製造すること


写真:コチュジャン、酢、砂糖、しょうゆ少々を合わせてタレをつくり、ゆでた白米中太麺と和えれば、「う米ビビン麺」の完成!トッピングはきゅうり、ゆでたまご、キムチなどをどうぞ

さらに、この米粉麺の取り組みは、「コメ余り」という、日本の農家が抱える問題を解決する一助にもなりえるのです。

「私たちが麺をつくるためにお米を仕入れると、『新規需要米』として、農家さんは国から助成金がもらえるんです。その分、私たちは農家さんから安価に購入でき、また、『今年は何トンつくってくださいね』と契約するので、お米が余らないんです。そういう風な農家さんを増やしていければ、農家さんはお米が余ってしまうのではないか…という不安を持たずにお米を栽培できます。農商工の連携で、社会問題の解決にも役立てたらうれしいですよね。みんながそれぞれの立場で、得意なことをするのがいいんだと思うんです。この問題は、どこかだけが頑張ってもうまくいかないから」。

今後は、「3つのキーワード」で「う米めん」の販路を拡大していきたいと話す樽川さん。

「まずは『健康』をキーワードに、学校給食や病院食、会社の食堂の他、小麦アレルギーで悩まれている方々に向けて販路開拓していきたいです。ふたつ目は、『こだわり』をキーワードに『う米めん』を訴求し、輸出にも挑戦したいです。『コーシャ』というユダヤ教徒向けの、ハラールのような資格があるのですが、それを取得してイスラエルに輸出したいと考えています。最後は、『広げる』をキーワードに、先ほどお話したOEMで、日本各地の米粉麺をつくっていきたいです」。


写真:玄米太麺をカルボナーラに。モッチモチで、いつまでも食べていたいおいしさ!

おいしいお米を麺にして、日本全国、さらには世界の食卓を目指す-。樽川さんの挑戦はまだまだ始まったばかりです。

「よいもの」ページはコチラ

「う米めん」の生みの親である樽川さんのドラマチックな半生は
「Yahoo!JAPANニュース」でもご覧いただけます。
ぜひそちらもご覧ください。

アルファ電子株式会社

所在地 〒962-0512 福島県岩瀬郡天栄村大字飯豊字向原60-2
TEL 0120-400-106
URL https://www.alpha-d.com/index.php

取材/2022年7月

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。

合同会社fluir
「浜の海苔だれ定番セット」

合同会社fluirは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「浜の海苔だれ定番セット」

皇室献上品としても名高い、七ヶ浜町の海苔。極上のその海苔が、手軽に食べられる調味料になりました。それが、「浜ののりだれ」シリーズです。「浜ののりだれ」「浜ののりドレ」「浜ののりマヨ」の3種類をラインアップしています。


写真:「浜ののりだれ」シリーズ。1年で6000本を売り上げる大ヒット商品に

開発したのは、七ヶ浜の菖蒲田浜の目の前でカフェレストラン「SEA SAW」を営む合同会社fluir。
この絶品調味料が生まれたのも、人気カフェレストランの厨房からでした。


写真:菖蒲田浜海水浴場目の前にあるカフェ「SEA SAW」

自ら厨房に立って鍋をふるう店舗マネージャーの加藤真子さんは「海苔のソースは、前任のシェフが作ったもの。そこから私が引き継いで、今の形になりました。レシピも変えていて、ニンニクを効かせたり、オリーブオイルを加えたりしました。最初はのりだれで『のりのパスタ』を出していたのですが、そこからディナーでいろいろアレンジして出したら『おいしい』といわれて。3種類をレシピ化することにしたんです。海苔は七ヶ浜産100%で、一番摘み、二番摘みの上質の海苔だけを使っています」と教えてくれました。


写真:合同会社fluirの代表の久保田さん(左)と、シェフの加藤さん(右)

合同会社fluirの代表で、「SEA SAW」オーナーの久保田靖明さんは「いろんな産地がある中で、七ヶ浜の海苔って、まだまだ知られていないんですよね。東松島で『海苔うどん』を開発したちゃんこ屋さんがあるんですけど、海苔うどんがあることでひとつのブランディングになっている。『海苔うどんをつくっている東松島の海苔は美味いに決まってる』って人は思うじゃないですか。でも、七ヶ浜の海苔だって美味い。だから、『これがあるんだから、七ヶ浜の海苔は美味いに決まっている』ってなるような商品になってもらえれば」と語ります。


写真:久保田さんは、漁師のみなさんとも良好な関係を築いています

七ヶ浜の名産品は海苔以外にも、ワタリガニ、ウニ、アワビ、白魚とありますが、久保田さんは「アワビもウニも白魚も、高級食材すぎてカフェでは出せない。ただ、海苔でパスタを作っても黒いし、流行らないだろうなと思って、『SEA SAW』では、ワタリガニを売りにしようと。それで、『ワタリガニのトマトクリームパスタ』を販売しました。このお土産品についても、最初はカニで作れないかと模索したんです。でも、よくよく見てみると、うちに初めて来る方はカニパスタを頼まれる方が多いのですが、リピーターとしてきていただく方は『のりのパスタ』を頼まれる方が多いんですよ。それなら、海苔で一発勝負してみようか、ということでつくってみることにしたんです」。


写真:グリルした野菜に、「浜ののりドレ」をかけて、おしゃれなサラダに

お土産品の開発は、カフェオープン当初から考えていたという久保田さん。「幹線道路沿いじゃない場所にあるカフェなので、ここが目的になる場所にしなくちゃいけない。ちゃんとお土産も作ろうと思っていたので、店舗の設計の段階から、製造の許可とれるようにしていたんです」。


写真:温野菜に「浜ののりマヨ」を添えれば、立派な前菜に!

お土産品のデビューは、ある日突然やってきました。
それは、2020年の2月。「七ヶ浜町の役場に臨時職員として入っているセガサミーグループの方から『本社で行うイベントでのりだれを販売してほしい』という申し出があったんです。もともとのりだれを使ったパスタを、レストランの一つのメニューとして出していて、それを気に入ってくださったみたいで。なので、代表からも『どうしても』といわれて商品化したんです(笑)。この『のりだれ』のデビューは、セガサミーグループの食堂で、結構な数を持って行ったのですが、すごく売れて。私が作ったのに、最初は乗り気じゃなかったけど、思いのほか喜んでいただけて手ごたえを感じました」と、加藤さんは話します。


写真:「浜ののりマヨ」と焼き鯖でオープンサンドに。食欲が止まらなくなります

2020年からのコロナ禍でも、「レストランの営業ができなかったので、『のりマヨ』を使った“萌え断”(*)のサンドイッチをテイクアウトで出していたんです。そうしたら、お客さまが買って、海で食べてくれたんですよね。私たちは、海に助けられたんです。きっと、これを仙台の街なかでやったら違ったんだと思います。そして、サンドを食べてくれたお客さまが、お土産でも買っていってくださって。年間6000本販売することができました」と、久保田さんは教えてくれました。
*ビジュアルがきれいな“萌え”る断面のこと


写真:めかじきのムニエルに、「浜ののりドレ」をトッピング

そして、2021年11月には、仙台市産業振興事業団が主催する「新東北みやげコンテスト」で「お取り寄せ特別賞」を受賞。久保田さんは「ありがたいことに、いろいろなところからお声がけいただきました。今後は、七ヶ浜の新しいお土産として、町内の方たちにお中元やお歳暮で使っていただけたらと思っています。そして、いずれは全国にもっと広がっていき、誇りある七ヶ浜のおいしい海苔をもっと周知していけたらいいなと考えています」と笑顔をのぞかせました。


写真:新東北みやげコンテストで「アイディア特別賞」を受賞した、アルファ電子株式会社の「う米めん」と「浜ののりだれ」を和えて、「シーフードのりパスタ」に。絶品です

七ヶ浜の海苔が、全国で銘品として愛されるようになるまで、久保田さんと加藤さんの挑戦は続きます。

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久保田さんのこれまでとこれからを紡いだ物語はYahoo!JAPANでもご覧いただけます。
ぜひそちらも一読ください。

合同会社fluir

所在地 〒985-0811 宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田浜長砂20-8
TEL 080-4669-3969
URL https://www.seasaw7beach.com/noridare

取材/2022年7月

これまでの「銘品ものがたり」もご覧ください。

デジタルマーケティングセミナー
【終了しました】

一緒に学んでみませんか?

(公財)仙台市産業振興事業団では、
「デジタルマーケティングセミナー」を開催いたします。

Webサイトの成果を事業の成果に結びつけるために、アクセスデータを分析してユーザー行動を理解することは企業にとってかかせないものです。



Googleアナリティクス4(GA4)がリリースされ、2023年7月にはユニバーサルアナリティクス(UA)のサポートが終了します。

GA4は、UAに比べて大幅な変更があり、GA4はより深くユーザー行動を分析・理解できる機能が備わっているので、まずはGA4の基本的な使い方に慣れることが大切ですね。

今回のデジタルマーケティングセミナーは、実際にGA4を使ってデータ分析の基礎を学びます。

自社に合った活用方法を一緒に見つけてみませんか?

こんな方におすすめ
・アナリティクスの活用方法がわからない
・Googleアナリティクス4でのデータ分析を学びたい
・自社の指標と分析ポイントを知りたい

日時:2022年10月13日(木)・11月17日(木)・11月24日(木)
   時間はいずれも14:00~16:00

会場:仙台市中小企業活性化センター セミナールーム(2)B
   (仙台市青葉区中央1-3-1 AER6階)

受講料:無料

対象:仙台市内の中小企業者・当事業団の支援事業者

内容:
10/13(木)│アナリティクスの理解と導入
・ユニバーサルアナリティクス(UA)とGoogleアナリティクス(GA)4の現状と違い

・GA4の導入方法

・基本指標の見方

11/17(木)│アナリティクス活用
・基本機能のおさらい
・分析ポイント説明
・探索(カスタムレポート)の説明と作成ワーク

11/24(木)│探索レポート作成ワーク
・「探索」を使って自社に合った指標を作る

終了しました

ミツロウラップ/マメムギモリノナカ

丁寧な暮らし、ミツロウラップ

昨今、SDGsなどで注目を集めているのが、「使い捨てない商品」たち。

それは、女性用の布ナプキンであったり、繰り返し使えるカイロだったり、世の中は少しずつではありますが、「ものを大切に使うこと」にシフトしてきています。


写真:マメムギモリノナカのミツロウラップ。サイズは、S、M、Lとそろっています

そんな中、宮城県南部の小さな町で、「ミツロウラップ」を販売する会社を立ち上げた女性たちがいます。なぜ、ミツロウラップをつくろうと思ったのか。なぜ、丸森だったのか。

代表の山下久美さんに、お話を伺いました。

もともとは仙台で暮らし、セラピストとして活動していたという山下さん。「セラピストという職業柄、健康にとても興味があって。健康って、水、空気、食べ物がきれいでおいしいことにつながっているので、自然豊かな場所で暮らしたかったんです。なので、丸森町で起業したいというのが一番の思いでした。『地域とかかわりを持っていくにはどうしたらいいか』と考え、地域の素材を探していたところ、養蜂園さんが『蜜ろうが在庫になって使い道を探している』と聞き、ミツロウラップをつくろうと考えました」。


写真:「自分の暮らしも少しずつ丁寧になってきています」と、山下さん

丸森町の石塚養蜂園さんと出会った山下さんは、こんな思いを告げられました。「『養蜂園の蜜ろうは卸に出すと、みんな一緒になってしまう。自分の養蜂園の蜜ろうだと出口が分かる形で使ってほしい』。そんな風におっしゃっていました」。

こうしてミツロウラップをつくりはじめた山下さん。「今から3年前のことですが、当時はミツロウラップのレシピがなくて。やっと見つけたレシピでつくってみたけれど、思ったようにならなくて。蜜ろうを使ったラップと一言にいっても、レシピによって全然仕上がりは違うんですね。0.01gの調整をしながら、毎日試作を繰り返して、最初の販売にこぎつけました。今でも完成とは思わず、レシピを少しずつ改良しながらつくっているんですよ」。


写真:筒状になって販売されています

気を付けているのは、「使いやすさ」。

「どの程度、人の生活に浸透していくんだろうって思いながらつくっています。きっと珍しさから、手に取ってくださる方もいると思うんです。でも、それが使いづらかったりすると生活の一部にはなっていかないので」。

ミツロウラップは、1枚をヘビーユーズしない限り、半年から1年、ラップとして使用可能。「使った後は、やさしく手洗いして干してください。抗菌効果があって、野菜の保存などに力を発揮します」。長く使用して蜜ろうがはがれてきたら、“追い蜜ろう”を施して再生させるか、ふきんとして利用しましょう。そして、それがさらにボロボロになったなら、地面に埋めれば、土に還るそう。


写真:半分に切った小玉スイカをSサイズでくるむとこんな感じに

今、取り組んでいるのは、生活文化大学との産学連携による「竹染」の布を利用したミツロウラップづくり。「以前、丸森の竹で染めた生地のラップを販売していたことがあるんです。その生地は、地域の方に染めていただいていたので、なかなか安定供給が難しかったんですね。そこで、生活文化大学さんをご紹介いただき、産学連携で竹染を一緒にやらせてもらっています。それがうまくいけば、丸森の名産であるタケノコを育てるために伐採された竹を再利用することができます。タケノコという地域の名物を発信しつつ、地域素材の活用になったらいいなと思って、取り組んでいるんです」。


写真:サンドイッチをくるんだら、そのままお弁当として持っていきましょう。このサンドイッチには、「浜ののりマヨ」を使用しています

ひとつひとつのデザインもかわいらしい、マメムギモリノナカのミツロウラップ。

中には、亘理町の特定活動非営利法人「ポラリス」でのアート活動で、利用者の方が描いた絵をファブリックにしたもの。「宮城の方とご縁をつなぎながら、これからも丸森で、自分の生活を大切にしながら、がんばっていけたらなと思います」。


写真:「ポラリス」のデザインを施したミツロウラップ。包んでおいたラップがそのままお皿になるので便利!ランチタイムが楽しくなりそう

マメムギモリノナカのミツロウラップは、オンラインストアのほか、藤崎百貨店や東北スタンダードマーケットなど、仙台市内15店舗で購入が可能です。

ぜひ、あなたの生活の中にもミツロウラップを。その使い勝手の良さに、驚くことまちがいなしですよ。

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マメムギモリノナカ

URL https://www.mamemugi-m.com/
お問合せ

株式会社ワンダーファーム
「とまと味噌ギフトボックス」

株式会社ワンダーファームは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「とまと味噌ギフトボックス」

福島県いわき市。“フラガールの町”としても知られるこの町に、とっておきの名産品が生まれました。それが、株式会社ワンダーファームが、スパリゾートハワイアンズと共同で開発した「とまと味噌」です。


写真:ワンダーファームとスパリゾートハワイアンズ共同で開発した「とまと味噌」

ワンダーファームの開発担当者である寺嶋大輔さんは、野菜ソムリエでもあります。この商品のきっかけも、野菜ソムリエが集まるある会合でのことだったそうです。「野菜ソムリエの福島のコミュニティがあるんです。その総会で同じいわき市内にあるスパリゾートハワイアンズの人といろいろな話をしたんです。『ここでつながって楽しいコトしたいね。じゃあ、一緒に商品作ってみない?』っていう軽いノリから始まった話なんですよ。うちはトマトを作っているから、トマト使ってなんかやってみよう。それに、フラガールっていうミニトマトの品種もあるし、フラの町でフラガール使った商品って面白いな、と思いました」。


写真:トマト愛にあふれる寺嶋さん

ちょっと細身のミニトマトである「フラガール」。その味の特徴は、甘みが強く、皮が厚くて食べやすいもの。「食べると踊りだしたくなる」というコンセプトで作られた日本の品種だそう。

寺嶋さんは「それが先駆けてうちに来て栽培できることになって。“いわきといえば”ということだったみたいですよ」と、自社のフラガールを商品開発に使用することに。


写真:トマトの収穫はひとつひとつ手作業で行います

「うちは、女性のお客さまが多いので、女性に好んでいただける味にしたいと思いました。忙しく働いている女性が、手軽に楽しく食べれらるもの。でも、美味しさもないとダメじゃないですか。疲れて帰ってきたときに、『これさえ使えば、何かおいしいものができるよ』ってしたかった」。

開発当初は、パスタソースも考えたそうですが、「それじゃあ汎用性がないな、って。スープにも、調味料にもなるようなものがよかった。そのときに、ハワイアンズの人が『トマトと味噌って合わせると面白いよ』って言ってくれて。実際に作ってみたらおいしかったんですよ」。


写真:スリムな「フラガール」。とても甘くて、フルーツのよう

確かに、調味料としては「ばっけ味噌」や「肉味噌」もポピュラー。

寺嶋さんは「でも、『トマト味噌』ってあんまないよねって話になって。やってみたらおいしくて、どういう風に味きめていこうということで、20種類くらい作ったんです。それこそ、『トマト肉味噌』とかも作って試食会して。ハワイアンズのみなさんや、うちのマルシェの社員やパートさんも交えて商品会議・試食会を何度も何度も繰り返して、最終的なところで今の味に落ち着いたんですよ。トマトピューレと味噌で、どちらかというと和風のトマトソースに近いです。そこに味の決め手フラガールを入れています」。


写真:テクスチャ―も柔らかく、応用範囲が広い調味料になりました

こうしてできあがった「トマト味噌」は、トマトが持つうま味成分グルタミンがたっぷり。このうま味成分のおかげで、一派的な味噌に比べると、73.4%減塩が叶いました。

今後の展開としては「『とまと味噌』を使ったアレンジ商品や各地の味噌と合わせて全国のご当地の『とまと味噌』ができていったら面白いよねって話しているんです。本当に、この商品開発はめちゃくちゃ楽しかったですよ」。


写真:「とまと味噌」をピザ生地に塗ってチーズを乗せ、軽く焼いたら「フラガール」とバジルをオン。絶品の「とまと味噌マルゲリータ」になりますよ

こうして2018年10月10日、トマトの日に「とまと味噌」はデビュー。

最初は「どこでも買える」商品ではなく、「この商品を目当てにワンダーファーム、ハワイアンズ双方の施設にお客様が来てくれたらいいよね」と話していたそう。施設を訪れるきっかけになる商品に育てていきたいという開発チームの思いから、あえてワンダーファームとハワイアンズのみで販売する戦略を取りました。当時はまだコロナ前だったこともあり、観光バスで観光客がやってくる時代。

「なんと、半年で1万本売れました。会社からは『そんなもの売れない』って言われてたから、余計にうれしかったんですよ。そうこうしてるうちに、県内からもお声がけがあって、各地のおみやげ屋さんに広がっていった。それで『東京のほうでも売っていきたい』ということでパッケージを変えることになったんです。当初のパッケージは、思いはあったけど、なんせお金をかけずにやったから(笑)」。


写真:寝坊した休日や、忙しい日の朝、冷凍野菜を鍋で煮て、とまと味噌を加えれば超簡単「とまと味噌ミネストローネ」に!

手掛けてくれたデザイナーは、寺嶋さんたちの思いをくみ取り、なんともかわいらしいトマトのようなパッケージに仕上げてくれ、ボトルに「とまと味噌」を詰めてくれました。

「知人が作ってくれたのですが、僕らの思いもくみ取ってくれて。いろいろ話し合いをしました。作ってくれる那須の工場もまた、自分たちの思いをくみ取ってくれる大切なパートナーです」。

実はこの「とまと味噌」、あの高級スーパー「紀ノ國屋」仕様のものもあるそう。

ほかにも、「『新東北みやげコンテスト』のコーナーも作ってくれている販売店様もあるんです」と、寺嶋さんはうれしそうに話します。

この「新東北みやげコンテスト」というのは、仙台市産業振興事業団で毎年行っている東北の新しいみやげ品を発掘するコンテスト。


写真:オリーブオイルとにんにく、ひき肉を炒めて「とまと味噌」で和え、同じ福島で生まれた「う米めん」に絡ませたら超絶品「とまと味噌ボロネーゼ」に!

「とまと味噌」は、「お取り寄せ特別賞」を受賞しました。寺嶋さんは「まさか特別賞をもらえると思ってもいなくて、授賞式当日は別件の仕事もあって東京に行ってて、残念ながらオンラインでの参加になりました。仕事の合間を縫って授賞式の時間にホテルで賞の結果を待っていたら、いきなり最初に呼ばれて、驚きのが最初にきました(笑)。でも、応募総数210商品の中から『とまと味噌』がこのような賞をいただけたこと、なんだか我が子がやっと認めてもらえたようで、ホテルの中で涙を流すほどうれしかったんです。今まで開発から販売まで一緒に頑張ってきたみんなの努力が形となって認めてもらえたこと、本当に、すごくうれしかった」。

新東北みやげコンテストで受賞したことで、販売会なども行われるようになり、販路も広がったそう。「お店の人が『こう食べたらおいしかったよ』『また売れたよ、持ってきて!』『とまと味噌を買いに来てくれるお客さん増えたんだよ』って笑顔で教えてくれた。そういう声がうれしかったです。あとは、商品を買ってくれた人も家で笑顔になってたりするのかなって思うと、考えるだけで楽しくなっちゃうんですよね。受賞で箔もついたし、もっともっとがんばって売りますよ!」と笑う寺嶋さん。


写真:寺嶋さんは、日本の農業の未来を変えるべく活動する「COOL AGRI」のメンバーでもあります

トマトを愛し、いわきを愛し、福島を愛する寺嶋さんは、これからも「とまと味噌」で全国の人たちを笑顔にすることでしょう。

「よいもの」ページはコチラ

寺嶋さんのこれまでとこれからを紡いだ物語はYahoo!JAPANでもご覧いただけます。
ぜひそちらも一読ください。

株式会社ワンダーファーム

所在地 〒979-0215 福島県いわき市四倉町中島字広町1
TEL 0246-85-5105
URL http://www.wonder-farm.co.jp/

取材/2022年7月

これまでの「銘品ものがたり」をご覧ください。

株式会社Ikizen
「シードル香るへそだいこんのピクルス」

株式会社Ikizenは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

デザイン特別賞「シードル香るへそだいこんのピクルス」

なんともかわいらしいネーミングでひときわ目を引くピクルスがあります。それが、「へそピ」に「わらピ」に「ろめピ」。これらは、宮城が誇る食材を秋保ワイナリーのシードルでピクルスにしたもの。正式名称は、「シードル香るへそだいこんのピクルス」「シードル香るわらびのピクルス」「シードル香るみやぎしろめのピクルス」です。


写真:宮城の食材と秋保ワイナリーのシードルでつくった「シードル香るピクルス」

この商品は仙台市産業振興事業団の「新商品/新サービス開発支援」を活用して誕生しました。株式会社Ikizen代表の佐藤大樹さんは、「商品開発にあたり、デザインやコンセプトを組み立てられる、専門家の力を借りた方がより良い商品ができると思い支援に応募をしました。私は震災後、『東北ろっけんパーク/仙台なびっく』という施設(※)で働いており、事業団の皆さんとプロジェクトをご一緒させて頂ける機会もありました。その際に専門家の支援によって誕生した商品が、いかに考え抜かれてアウトプットされているかを知り、自分が開発する際には、ぜひ事業団の支援を受けたいと考えていました」と、当時を振り返ります。

※仙台市がすすめる「仙台経済ステップアッププラン2012」の一環として、被災した東北各地の産業や観光の復興をさまざまな面からバックアップする施設


写真:株式会社IKI ZENの佐藤さん

そもそも、この商品を開発したきっかけは、佐藤さんと共に一般社団法人IKI ZENを立ち上げたフードコーディネーターで管理栄養士の齋藤由布子さんが温めてきたアイデアからでした。齋藤さんは、「食生活診断をさせていただく中で、現代人の食生活には酢の物が足りないということを感じていました。酢や柑橘系は、疲労感を軽減したり、代謝を高める効果があるとも言われているので、『健康的生活を目指すために、酢の物を多く取り入れましょう』と指導してきました。今回、宮城県の食材を使って加工品を作るとなったときに『食べることで健やかに』ということを意識して、ピクルスを作ることにしました」と話します。


写真:現在は、限定品も含めて5種類をラインナップ

食材として選んだのは、丸森町筆甫地区のへそ大根とわらび、そして栗原市産のミヤギシロメ。「筆甫地区振興連絡協議会さんの事業支援をしてゆく中で『へそ大根と山菜を加工品として商品展開したい』と相談がありました。IKI ZENは、生産者さんの販路開拓支援のお手伝いをしていきたいと考えているので、今回の事業は地域課題を解決できるチャンスだと思いました」。


写真:トンポーローの付け合わせに「へそピ」を

レシピは、齋藤さんのオリジナル。リンゴ酢を使用したピクルスがあることから、秋保ワイナリーのシードルで作ってみたところ、風味もしっかりあり、後味がスッキリとしたピクルスへと仕上がりました。商品の名前の通り、シードルが香るピクルスです。


写真:スパイシーなラムカレーに「ろめピ」。らっきょうや福神漬けとはまた違う付け合わせでGOOD。ドリンクは、もちろん秋保ワイナリーのシードルをチョイス

そしてこの「へそピ」という、なんともキャッチ―なネーミングをつけたのは、当時仙台市産業振興事業団で専門家としてチームに参加していたコピーライターの工藤拓也さん。

工藤さんは「瓶をずらっと並べたときに、『実験室の薬の瓶みたいに見えると面白いよね』っていう話になったんです。それで僕の方から『シードル香るへそだいこんのピクルス』は『へそピ』という風に提案しました。もうひとつ、薬瓶を…ということだったので、数字とアルファベットのような記号を組み合わせた、ぱっと見で元素記号っぽく見える様なものと2案提案したんです」と教えてくれました。


写真:鯖の塩焼きに「わらピ」を添えて。ピり辛のわらピと鯖の脂の相性が抜群です

佐藤さんも「今回は東京の第一線で活躍するデザイナーの黒田誠さんにも支援チームに入っていただき、工藤さんもいたので、『インパクトを持つネーミングをつけてもらえんるんだろうな』と納得でした。ピクルスという商品は市場に無数にありますが、宮城の食材を使用して、見た目にもこだわった商品を販売するとなると、商品名にもエッジが欲しかったので、よかったです」。と話します。


写真:「のりマヨ」に「なつピ」のパプリカを刻んで入れて特製タルタルに。フライにベストマッチします。付け合わせのトマトは、ワンダーファームの「フラガール」です

佐藤さんは「商品の価格帯としては一般のピクルスよりも高めですが、シリーズのコンセプトとしては、ギフトや手土産として愛される商品になってほしいという願いを持ってリリースをしました。秋保シードルや宮城の高いポテンシャルを持つ食材を使用したピクルスだからこそ、低価格帯の商品として開発をしたくなかったという気持ちもあります。市場に浸透していくには時間がかかるかもしれませんが、末永く愛される新しい東北の手土産として認知される日を期待しています」と想いを語ります。


写真:単体でもおいしいけれど、さまざまな料理の引き立て役にもなるピクルス。ぜひいろいろお試しを

現在は、季節商品である「なつピ」と「ふゆピ」も加わって、全部で5種類になった「ピ」シリーズ。大切なあの人のもとへ、ヘルシーなギフトとして届けてみては?

株式会社Ikizen

所在地 〒980-0023 仙台市青葉区北目町4-7 HSGビル3階
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E-mail info@ikizen.com

取材/2022年7月

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