合同会社あおなび
「あおもり りんご缶詰(プレーン/紅茶/ラム酒)」
合同会社あおなびは、仙台市産業振興事業団が主催する
「新東北みやげコンテスト」の受賞企業です。
写真:合同会社あおなびの岡田さん。青森県出身の、青森Loverです
リンゴの生産日本一の青森県。その青森県から、とっておきのおみやげ品が誕生しました。
それが「あおもり りんご缶詰」。
つくったのは、合同会社あおなびの岡田滋さんです。
岡田さんの前職は、百貨店のバイヤー。それこそ、全国のモノを何万食と食べてみてきたプロ中のプロです。そんな岡田さんは、ある日ふと思いました。「関東圏から西の地域では、りんごの缶詰が普通に売っている。でも、東北でりんごの缶詰はスーパーに売っていないなぁ」と。その理由は、東北地方は通年、種類は違えど、フレッシュなりんごを手に入れることができるから。りんごが採れる地域では、生で食べたり、余ったらジュースにしたり、りんごを煮てジャムにしたり…ということはあっても、缶詰にして保存するということがなかったのです。
写真:新たに3フレーバーを加え、6種類で展開している「あおもり りんご缶詰」
そんな中、家業を継ぐためにバイヤーの職を辞した岡田さん。しかし「なぜか、家を継がなくてもいいことになってしまって…(笑)。サラリーマンに戻るという手もありましたが、もともといずれ自分で何か商売をしてみたいという気持ちがあったので、思い切って起業することにしたんです」と、コロナ禍でのスタートアップを決意します。
「商品開発のコンサルタントとしての起業だったので、『じゃあ、実績は?』と聞かれると思い、名刺代わりの商品をつくろうと思いました。ありそうでなさそうなものをつくろうと思いついたのが、りんごの缶詰だったんです。でも、ただのシロップ漬けじゃ面白くないじゃないですか。今、青森をはじめいろいろなところで出している鯖缶はいろんな味があって面白いなと思っていたので、フルーツの缶詰に味をつけてしまおう、と。フルーツ缶で味に変化をつけたのはあまり見たことがないし、ないならつくってみようかなと思ってできたのが、この缶詰なんです」と、岡田さんは話します。
こだわったのは、生のシャキシャキとした食感と、1人でも食べきれる缶詰のサイズ感でした。「フルーツの缶詰って大きなものが多いのですが、あれだとスーパーや百貨店の棚では下の方におかれてしまうんです。だから、目線の高さの棚においてもらえるサイズにしました。これなら、1人でも食べきれますから」。ここでも、バイヤーとしての経験が活きました。
写真:最初につくったのが、プレーン、紅茶、ラム酒の3種
最初につくったのは、プレーン、紅茶、ラム酒の3種。
岡田さんは「ほかのフレーバーとの比較のためにも、ノーマルは必要だろうと思ったので、これは必須でした。通常、缶詰をつくるときには、酸味を加えるときにクエン酸を使うのですが、あえてレモン果汁を加えてみました。紅茶フレーバーは、アップルティーにヒントをもらいました。りんごが紅茶の渋みと合うんです。シロップは、アップルティーとして飲むことができます。ラム酒は大人向けのものをつくりたかったから。お酒と一緒に召し上がっていただいたり、デザートで召し上がっていただいたりしてもいいと思います。シロップを焼酎と割ってもおいしいですよ」。
岡田さんのもうひとつのこだわりは、シロップも最後の一滴まで楽しんでもらうこと。「SDGsじゃないけれど、大体フルーツ缶のシロップって捨てちゃいますよね。でも、僕はそれが嫌で。シロップもおいしく楽しんでもらえるものにしたかったんです」と。
写真:ラム酒の缶詰にバターと塩を加えて煮詰めて、りんごソースに。白身の魚との相性が抜群です
岡田さんの真摯な商品づくりは、初出品にして、「新東北みやげコンテスト」で優秀賞を受賞。「名だたる方が審査員として名を連ねているので、評価を聞きたかったんです。初めてつくらせていただいて、素晴らしい賞をいただいて、感無量です。このおかげで、よくお声がけをいただいて、いろいろな場所で販売させていただくことができました。これからは、日本全国はもちろん、海外へのおみやげ品としても育てていきたいです」。
写真:紅茶フレーバーの缶詰に醤油を加え、豚ロースを煮込んだだけの煮豚。柔らかくて、ご飯のお供にピッタリ
2022年には、「りんごジュース」「ジンジャー」「カシス」のフレーバーも増え、選ぶ楽しみも増えた「あおもり りんご缶詰」。
写真:プレーンは、果実を刻んでバニラアイスのトッピングに
「こちらの農家さんは、りんごもジュースもつくるのですが、余るとりんごジュースにりんごを入れて煮るらしいんです。それを真似てみたのが『りんごジュース』。りんごジュースがりんごにしみ込んでおいしいんです。『ジンジャー』は、飲むと体が温まるくらいたっぷり生姜が入っています。炭酸水を入れると、本格的なジンジャーエールになるんです。『カシス』は、カシスの果汁に漬けているものなのですが、実は青森はカシスも生産日本一なんです。日本一同士を掛け合わせたいという思いでできたもので、個人的には、このカシスが一番好き。色もきれいで“映え”ますよ」。
写真:りんごジュースは、グラスにシロップと果肉を入れて、炭酸水を注ぎます。極上りんごサイダーのできあがりです
「世界中の人に食べてほしいし、こういうアイデアを世の中にどんどん出していきたい」。これからも、岡田さんの挑戦は続いていきます。
岡田さんの物語は、Yahoo!ニュースでもご紹介しています。ぜひご覧ください。
合同会社あおなび
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