後編|マッチ箱マガジンで巡る仙台さんぽ(全3回)
最後に向かったのは仙台でさまざまな文化を生み出してきた「rock cafe PETERPAN」。このお店の歴史とこれからについて、ジュンコさんが長崎由幹さんに聞いてみました。
|rock cafe PETERPAN
ジュンコ:お店は45年を迎えたんですよね。
長崎さん:はい、そうです。このお店は両親が20歳くらいの頃にオープンしているんです。
ジュンコ:ずいぶん若い頃から始められているんですね!
長崎さん:むしろ若いノリで始めたんだと思いますよ。その当時からは時代に合わせてゆっくり変化し続けていると思います。あ…、でも変わっていない部分もあるのかもしれません。
|大きな音に包まれながら、居心地のよい時間を過ごす
ジュンコ:音楽を聴きながらコーヒーやお酒が楽しめるスタイルは変わらないんですか?
長崎さん:昔はもっと音楽をじっくり聴いていたみたいですね。今みたいに音楽を聴くことが手軽ではなかったので、一生懸命音楽を聴きに来るというか。もちろん今も音楽が中心にありますが、お客さんも多様化していて純粋にカフェとして楽しまれる方もたくさんいらっしゃいますね。
|好きな音楽に包まれる贅沢
ジュンコ:1グループで1回、好きな音楽のリクエストに応えてくれるんですよね? そのルールはどうやって決まったんですか?
長崎さん:いろいろなお客さんが来るので、それに合わせているとほかのお客さんが取り残されてしまう。僕らとしてはすべてのお客さんにハマるような展開をつくりたいと思っていることもあって、1グループ1回だけのリクエストを受け付けることにしたんです。
ジュンコ:リクエストをお願いする方は多いですか?
長崎さん:いや、あまりいないですね。3割、いや、もっと少ないかな。
ジュンコ:私も以前、勇気を振り絞ってリクエストをお願いしたことがあります(笑)。
長崎さん:そうそう、みんなやっぱり言い出しづらいみたいですね(笑)。昔は1グループ1回なので、友達同士が1人ずつお店に入ってきて、それぞれが好みの音楽をかけてもらう、なんてこともあったみたいですよ。
ジュンコ:ここでレコードをかけてもらうこと自体が、特別なことだったんでしょうね。
|数万枚のレコードにも歴史が積み重なる
ジュンコ:レコードは何枚くらいあるんですか?
長崎さん:諸説ありまして、大雑把に言ってたぶん2~30,000枚くらいですかね。
ジュンコ:今どこに何が置かれているか把握するだけでも大変そうですね…。
長崎さん:そうなんですよ。忙しくなるとレコードを別のスリーブに入れてしまって、好きなレコードほどなくしちゃったりもして…。お客さんのリクエストがない時は、世代や服装、雰囲気などあらゆる情報を加味して選曲しているんですが、喜んでもらえると嬉しいですね。ジュンコさんなら…、きっとどんな曲でも聴き込んでくれるでしょうね。
|これからのPETERPAN
長崎さん:そうそう、昔このお店でフリーペーパーを出していたんですよ。音楽レビューが書いてあるんですけど、音楽評論家じゃない人たちのレビューがこれだけ残っているって相当貴重だと思うんです。製本できたらなあと思っています。
ジュンコ:これは宝ですね! いつか本にまとまるといいなあ。
|いろいろな活動の場になれたら
長崎さん:この当時に「ZINE」って言葉があったのかどうかはわからないけど、このときすでにこんなメディアをつくって発信していたことがすごいですよね。このお店がもう一度何か仕掛けるとしたら、こういう方向性かなとは思っています。今の空気を維持しつつも、もっと、いろんな活動の場になればいいかな。本腰が入るタイミングを待ちたいですね。
ジュンコ:またいろいろな人が交差するお店になりそうですね。その時を待っています!
rock cafe PETERPAN
- 仙台の音楽&カフェ文化を築いたロックカフェ。音楽に耳を傾けながら特別な時間を過ごせる。カクテルからウィスキーまで揃う種類豊富なアルコールのほか、自家製のケーキも人気。
- 住所:仙台市青葉区国分町2-6-1
- 営業時間:15:00~22:00(金・土曜は~24:00)
- 定休日:月曜
- 電話番号:022-264-1742
- URL: http://peterpan-rock.com