株式会社エイ・ワンド
青森ホタテで缶パイ4種

2024年11月11日

株式会社エイ・ワンドは、仙台市産業振興事業団が主催する
第10回新東北みやげコンテストの受賞企業です。

優秀賞 青森ホタテで缶パイ4種

青森県青森市。青森駅からほど近い場所に、店舗を構えるエイ・ワンド。小ぢんまりとしていながらも、店内はりんごをモチーフとしたテーマパークのような楽しさ。そのエイ・ワンドが、新たな商品ラインナップに加えたのが、青森県が全国有数の生産量を誇る「ホタテ」です。




この商品が生まれた経緯について、株式会社エイ・ワンド常務取締役の高森暖(のん)さんは、こう話します。
「2年前、コロナのときに観光客の方がうちのお店に来たんですね。そのとき、飲食店も休みが多くて、『青森に来ておいしい酒と肴を食べようと思ったのにお店がどこも休みだ』って話していて。それで、酒屋さんで買ったお酒をホテルで飲むのに、うちの干しりんごをつまみに買って行ったの。干しりんごも決してお酒に合わないわけじゃないけど、青森にはおいしい魚がたくさんあるわけだから、なんか寂しくなっちゃってね。それで、ホテルに帰ってパパッとすぐ簡単に食べられるお酒のおつまみがあったらいいなって思ったんですよ」。


写真:「思いついたらすぐ行動しちゃうの」とチャーミングな笑顔で話す高森さん


さらに、ホタテの輸出制限などもあり、ホタテの生産者が苦境にあったことも高森さんの背中を押しました。
「もう輸出はほとんどダメでね。それにホタテの生産量も毎年厳しくなっていて、ホタテの会社の知り合いなんかは、『ホタテ業はもう終わりなのかな…』みたいな感じで話していて。でも、青森っていったらホタテだし、ホタテをつまみにするっていうのが一番いいことだなと思って。そこでホタテの缶詰をつくろうと思ったの。ホタテの缶詰は今までももちろんあったんだけど、私、缶を開けたときの生臭い匂いが苦手で好きじゃなくて。だから、そういう生臭さのないおいしい缶詰で、爪楊枝もつけてすぐその場で食べられたら、電車の中とか、旅館とか、いろんなところでおつまみやおやつみたいな感じで食べられるなって思って」。


写真:ビールにぴったり!あっさり味の「しょうゆ」


こうしてホタテの缶詰をつくることを決意した高森さん。
「今回は、お酒のお供っていうのがコンセプトなので、日本酒、ビール、焼酎、ワインに合わせて味を変えようと思って。それで、お酒好きな人たちで集まって試作して、みんなで味わいながら『これはもうちょっと濃くした方がいいんじゃない?』とか、『ちょっとしょっぱすぎるよ』とか、そういうのを飲み比べしながらやってね。しょうゆ、みそ、オイルっていうのは決まったんだけど、せめてもう1種類は欲しいなって思って。そのときに『エビチリは子どもも好きだし、ホタテチリがあったっていいじゃん』って思いついて。それでトマトチリが決まったの」。


写真:焼酎に合わせるなら、ちょっぴりピリ辛の「トマトチリ」を


高森さんは青森市内で缶詰の業者を探し始めますが、青森市内にはいないことが判明します。
「私、ものをつくるときには、まずは青森市、それが無理なら青森県、それが難しい場合は東北…って決めているんです。青森市で缶詰をつくれないってなったから、青森県内で探したら、八戸市にあったのね。ほら、八戸って港町で水産加工の会社も多いから」。

高森さんのレシピを完全再現した「青森ホタテで缶パイ」は、こうして完成しました。
「トマトチリは、チリソースを使っているわけじゃなくて、豆板醤とかケチャップとトマトペースト、玉ねぎペーストを合わせて、香辛料を合わせたもの。お砂糖もてんさい糖を使っていて、添加物は使っていないので、安心して食べてほしいです。このトマトチリは、新東北みやげコンテストでも、バイヤーさんたちからすごく評判がよくて。このおかげで優秀賞が取れたのかなって思ってるくらい。おかげさまでよく売れていて、店舗でも在庫が少なくなってきているんですよ」。

写真:ワインには、アヒージョを思わせる「オイル」を


写真:コクのある「みそ」は、日本酒が何杯も進みそう


新東北みやげコンテストで優秀賞を受賞したことでの影響を伺いました。
「ちょうどそのすぐ後に、知り合いの会社の周年パーティーがあったんですけど、賞を取ったことで新聞にも載ったので、すごく喜んでもらえて。あとは、お中元お歳暮という形で購入してくれる人も多くて、本当にありがたいですよね」。


写真:「しょうゆ」はご飯と和えて、混ぜご飯に。大葉を刻んで乗せれば、朝食にもぴったりの一品に


写真:「みそ」を稲庭うどんと合わせて。時間がない日のブランチにどうぞ


現在、「しょうゆ」「みそ」「オイル」「トマトチリ」の4種をラインナップしている「青森ホタテで缶パイ」。高森さんは「今、レモンバジルを試作しているんです。ただ、レモンの酸で缶がさびてしまうから、そこのところを研究中。あとは、最初に商品開発を始めたときに、カレーを試作したんだけど、缶詰の会社さんに『カレーは匂いが残るから、専用の機械を購入してください』っていわれてしまったのね。今はちょっときついけど、いずれは釜を買ってカレー味も出したいですし、ホタテのショップも出したいの」と笑顔をのぞかせます。


写真:クリームチーズを塗ったバゲットに「トマトチリ」をトッピングすれば、おいしいタパスのできあがり

写真:「オイル」にワインビネガーを加えて、ホタテ入りドレッシングに。野菜をモリモリ食べられます


これから商品ラインアップを増やしつつ、進化を遂げていくであろう「青森ホタテで缶パイ」。
オンラインショップや青森県内のおみやげ店、仙台市内では「東北スタンダードマーケット」で購入することができますよ。


この商品を開発した高森暖さんのものがたりは、Yahoo!ニュースでご紹介していますので、ぜひご覧ください。

株式会社エイ・ワンド

所在地 〒030-0803 青森県青森市安方1丁目11-10
TEL 017-777-6345
FAX 017-777-6345
URL https://a-wando.net/



取材/2024年8月