株式会社ワンダーファーム
「とまと味噌ギフトボックス」

2022年8月22日

株式会社ワンダーファームは、仙台市産業振興事業団が主催する
第8回 新東北みやげコンテストの受賞企業です。

お取り寄せ特別賞「とまと味噌ギフトボックス」


福島県いわき市。“フラガールの町”としても知られるこの町に、とっておきの名産品が生まれました。それが、株式会社ワンダーファームが、スパリゾートハワイアンズと共同で開発した「とまと味噌」です。

写真:ワンダーファームとスパリゾートハワイアンズ共同で開発した「とまと味噌」


ワンダーファームの開発担当者である寺嶋大輔さんは、野菜ソムリエでもあります。この商品のきっかけも、野菜ソムリエが集まるある会合でのことだったそうです。「野菜ソムリエの福島のコミュニティがあるんです。その総会で同じいわき市内にあるスパリゾートハワイアンズの人といろいろな話をしたんです。『ここでつながって楽しいコトしたいね。じゃあ、一緒に商品作ってみない?』っていう軽いノリから始まった話なんですよ。うちはトマトを作っているから、トマト使ってなんかやってみよう。それに、フラガールっていうミニトマトの品種もあるし、フラの町でフラガール使った商品って面白いな、と思いました」。


写真:トマト愛にあふれる寺嶋さん

ちょっと細身のミニトマトである「フラガール」。その味の特徴は、甘みが強く、皮が厚くて食べやすいもの。「食べると踊りだしたくなる」というコンセプトで作られた日本の品種だそう。
寺嶋さんは「それが先駆けてうちに来て栽培できることになって。“いわきといえば”ということだったみたいですよ」と、自社のフラガールを商品開発に使用することに。


写真:トマトの収穫はひとつひとつ手作業で行います

「うちは、女性のお客さまが多いので、女性に好んでいただける味にしたいと思いました。忙しく働いている女性が、手軽に楽しく食べれらるもの。でも、美味しさもないとダメじゃないですか。疲れて帰ってきたときに、『これさえ使えば、何かおいしいものができるよ』ってしたかった」。
開発当初は、パスタソースも考えたそうですが、「それじゃあ汎用性がないな、って。スープにも、調味料にもなるようなものがよかった。そのときに、ハワイアンズの人が『トマトと味噌って合わせると面白いよ』って言ってくれて。実際に作ってみたらおいしかったんですよ」。


写真:スリムな「フラガール」。とても甘くて、フルーツのよう


確かに、調味料としては「ばっけ味噌」や「肉味噌」もポピュラー。
寺嶋さんは「でも、『トマト味噌』ってあんまないよねって話になって。やってみたらおいしくて、どういう風に味きめていこうということで、20種類くらい作ったんです。それこそ、『トマト肉味噌』とかも作って試食会して。ハワイアンズのみなさんや、うちのマルシェの社員やパートさんも交えて商品会議・試食会を何度も何度も繰り返して、最終的なところで今の味に落ち着いたんですよ。トマトピューレと味噌で、どちらかというと和風のトマトソースに近いです。そこに味の決め手フラガールを入れています」。


写真:テクスチャ―も柔らかく、応用範囲が広い調味料になりました


こうしてできあがった「トマト味噌」は、トマトが持つうま味成分グルタミンがたっぷり。このうま味成分のおかげで、一派的な味噌に比べると、73.4%減塩が叶いました。


今後の展開としては「『とまと味噌』を使ったアレンジ商品や各地の味噌と合わせて全国のご当地の『とまと味噌』ができていったら面白いよねって話しているんです。本当に、この商品開発はめちゃくちゃ楽しかったですよ」。


写真:「とまと味噌」をピザ生地に塗ってチーズを乗せ、軽く焼いたら「フラガール」とバジルをオン。絶品の「とまと味噌マルゲリータ」になりますよ


こうして2018年10月10日、トマトの日に「とまと味噌」はデビュー。
最初は「どこでも買える」商品ではなく、「この商品を目当てにワンダーファーム、ハワイアンズ双方の施設にお客様が来てくれたらいいよね」と話していたそう。施設を訪れるきっかけになる商品に育てていきたいという開発チームの思いから、あえてワンダーファームとハワイアンズのみで販売する戦略を取りました。当時はまだコロナ前だったこともあり、観光バスで観光客がやってくる時代。
「なんと、半年で1万本売れました。会社からは『そんなもの売れない』って言われてたから、余計にうれしかったんですよ。そうこうしてるうちに、県内からもお声がけがあって、各地のおみやげ屋さんに広がっていった。それで『東京のほうでも売っていきたい』ということでパッケージを変えることになったんです。当初のパッケージは、思いはあったけど、なんせお金をかけずにやったから(笑)」。


写真:寝坊した休日や、忙しい日の朝、冷凍野菜を鍋で煮て、とまと味噌を加えれば超簡単「とまと味噌ミネストローネ」に!


手掛けてくれたデザイナーは、寺嶋さんたちの思いをくみ取り、なんともかわいらしいトマトのようなパッケージに仕上げてくれ、ボトルに「とまと味噌」を詰めてくれました。
「知人が作ってくれたのですが、僕らの思いもくみ取ってくれて。いろいろ話し合いをしました。作ってくれる那須の工場もまた、自分たちの思いをくみ取ってくれる大切なパートナーです」。


実はこの「とまと味噌」、あの高級スーパー「紀ノ國屋」仕様のものもあるそう。
ほかにも、「『新東北みやげコンテスト』のコーナーも作ってくれている販売店様もあるんです」と、寺嶋さんはうれしそうに話します。
この「新東北みやげコンテスト」というのは、仙台市産業振興事業団で毎年行っている東北の新しいみやげ品を発掘するコンテスト。


写真:オリーブオイルとにんにく、ひき肉を炒めて「とまと味噌」で和え、同じ福島で生まれた「う米めん」に絡ませたら超絶品「とまと味噌ボロネーゼ」に!


「とまと味噌」は、「お取り寄せ特別賞」を受賞しました。寺嶋さんは「まさか特別賞をもらえると思ってもいなくて、授賞式当日は別件の仕事もあって東京に行ってて、残念ながらオンラインでの参加になりました。仕事の合間を縫って授賞式の時間にホテルで賞の結果を待っていたら、いきなり最初に呼ばれて、驚きのが最初にきました(笑)。でも、応募総数210商品の中から『とまと味噌』がこのような賞をいただけたこと、なんだか我が子がやっと認めてもらえたようで、ホテルの中で涙を流すほどうれしかったんです。今まで開発から販売まで一緒に頑張ってきたみんなの努力が形となって認めてもらえたこと、本当に、すごくうれしかった」。


新東北みやげコンテストで受賞したことで、販売会なども行われるようになり、販路も広がったそう。「お店の人が『こう食べたらおいしかったよ』『また売れたよ、持ってきて!』『とまと味噌を買いに来てくれるお客さん増えたんだよ』って笑顔で教えてくれた。そういう声がうれしかったです。あとは、商品を買ってくれた人も家で笑顔になってたりするのかなって思うと、考えるだけで楽しくなっちゃうんですよね。受賞で箔もついたし、もっともっとがんばって売りますよ!」と笑う寺嶋さん。


写真:寺嶋さんは、日本の農業の未来を変えるべく活動する「COOL AGRI」のメンバーでもあります





トマトを愛し、いわきを愛し、福島を愛する寺嶋さんは、これからも「とまと味噌」で全国の人たちを笑顔にすることでしょう。


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寺嶋さんのこれまでとこれからを紡いだ物語はYahoo!JAPANでもご覧いただけます。
ぜひそちらも一読ください。



株式会社ワンダーファーム

所在地 〒979-0215 福島県いわき市四倉町中島字広町1
TEL 0246-85-5105
URL http://www.wonder-farm.co.jp/


取材/2022年7月



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