つくってみた|vol.8
WATALISで和柄にこめられた意味を学ぶバッチづくり
着物に描かれている花や模様にはそれぞれ願いや意味がこめられているのをご存じですか? 願いや意味から柄を選んで大切な人に贈りものをすると、もっと想いが伝わるかも。今回は着物地の小物を製作・販売している宮城県亘理町の「株式会社WATALIS」さんで代表的な和柄の意味を教えてもらいながら、着物地で缶バッチをつくりました。
|幸せを世界につなぐ「WATALIS」
WATALISは、タンスに眠る古い着物地をリメイクし再び世に送り出す「アップサイクル」に取り組むブランド。着物地の色や柄を活かしながら、亘理町の女性たちが一つひとつていねいに手づくりし、歴史ある日本の意匠の美しさに新たな命を吹き込んでいます。「WATALIS〈ワタリス〉」とは、宮城県亘理町の「WATARI」と「お守り」という意味の「TALISMAN」を組み合わせた造語なんだそう。2017年5月15日には事務所の近くにWATALIS Shop & Galleryをオープン。こちらには巾着袋「FUGURO」やアクセサリーなど着物地でつくった小物がたくさん並んでいます。着物を持ち込んで、リメイクしてくれるオーダーメイドも行っているそうなので、気になる方はお問い合わせしてみてくださいね。
ギャラリーの奥には着物地でつくられた大きなタペストリーが飾ってあります。これは株式会社WATALISと一般社団法人日本記念日協会・kinenbiの共同プロジェクトにより製作されました。記念日や幸運の花などが記載された「バースデイカード」が366日ぶん用意されており、持ち帰ることができます。
|着物の柄の意味を学ぼう
着物は七五三や成人式など、節目の時に着ることが多いですよね。「もっと幸せになってほしい。」「人生がいいものであってほしい。」といった願いをこめて、柄や文様が選ばれてきました。「着る機会が少なくタンスの中にしまったままの着物も、小物にして身に付けることでまた目に触れる機会になるのではないか。」と考えた代表取締役の引地さん。この缶バッチづくり体験をきっかけに、「日本の歴史や故事、縁起のよい柄の意味をもっと知ってほしい。」とおっしゃっていました。では、引地さんに着物地に使用される代表的な柄の名称や願い、どんな由来があるのか伺ってみましょう。今回は、4つの吉祥文様について教えていただきました。
【梅文】合格祈願、学業成就、安産祈願
梅の種には学問の神様が宿っているといわれ、合格祈願の神社に植えてあることが多いそうです。梅(うめ)から「産めよ増やせよ」とのことで安産祈願の意味もあるんだとか。
【竹文】延命長寿、技芸上達、子孫繁栄
繁殖力が強いので、長生きや繁栄の象徴とされてきました。
【菊文】延命長寿、若返り祈願、健康祈願
菊は薬用の植物でもあります。平安時代に貴族が菊を見ながらお酒を飲み、長寿を願う儀式をやっていたのだそう。
【扇文】立身出世、技芸上達
形から分かるとおり、末広がりになっています。武家の時代には弓や技芸の上達が大事だったんですね。
※もっと知りたいという方は、WATALISさんのホームページをご覧ください。
(吉祥文様について)
|願いを込めた缶バッチづくりスタート
和柄の意味を学んだら、着物地で缶バッチづくりを体験してみましょう。キットも含めた材料や道具は全てWATALISさんが用意してくれるので、持ち物は特に必要ありません。<材料(キットの中身)>
・布(着物地)×2枚 ・クリップ付き安全ピン×2個
・缶(本体)×2個 ・裏ぶた×2個
<道具>
・型紙 ・えんぴつ
・土台(透明) ・打ち具(青)
1.型紙に沿って鉛筆で円を書き、切り取る。
型紙を布に当てて、切り取る部分を選びます。どこを中心にするか、できあがりを想像して慎重に選んでくださいね。あとは、型紙に沿ってえんぴつで円を描き、はさみで切り取ります。
2.土台に布・缶(本体)をセットし、布を折り込む
土台に布・缶(本体)の順に入れ、はみ出た布を内側へ折り込みます。しわにならないように布をひっぱりながら折り込むのがポイント。
3.裏ぶたを乗せて押し込む
裏ぶたを乗せ、打ち具(青)で力強く押し込みます。しっかりと押し込まないと、布がずれてしまうので注意してください。
4.最後に安全ピンをつけたら完成!
裏ぶたがしっかりはまったら、土台から取り出します。クリップ部分の裏がシールになっているので、柄が逆さにならないように確認しながら裏面に貼りつけます。
|願いを込めた缶バッチはいかがですか
直径約5cmの缶バッチができあがりました! 大きめサイズなので、無地の洋服やバッグ、帽子のアクセントにもぴったりです。1回の体験で2つ缶バッチをつくることができるので、友達や家族とシェアしてもいいですね。また、大切な人へのプレゼントに柄の意味を書いた手紙を添えたら、想いがもっと伝わるかも。
難しい作業が少ないので、小さいお子様でも素敵な缶バッチをつくることができますよ。缶バッチつくり体験はWATALISに隣接するアトリエ&喫茶「中町カフェー」の営業中に行っています。値段は缶バッチ2個セット(1ドリンクお菓子付)で2,160円です。ぜひ、カフェでひと息つきながら、缶バッチづくりを体験してみてください。
遠方に住んでいて、なかなかお店に立ち寄れないという方は、オンラインショップをご利用ください。(WATALISオンラインショップ)
手芸カフェとしての利用もおすすめ
アトリエ&喫茶「中町カフェー」では喫茶メニューを注文すると、手芸道具を貸し出してくれます。店内にはミシンや針などの手芸道具が揃っていますので、手ぶらでも手芸を楽しむことができますよ。
アトリエ&喫茶「中町カフェー」
- 住所:〒989-2351 宮城県亘理郡亘理町字中町22番地
- 営業時間:10:00~16:00 (ラストオーダー 15:30)
- 定休日:土曜・日曜・祝日・年末年始(臨時休業あり)
- Tel・Fax:0223-35-7341
- URL:https://nakamachi-cafe.com/
株式会社WATALIS
- 住所:〒989-2351 宮城県亘理郡亘理町字中町22番地
- TEL:0223-23-1975
- URL:http://watalis.co.jp/