株式会社不忘印刷所
「弥治郎こけしのマスキングテープホルダー」
株式会社不忘印刷所は、仙台市産業振興事業団が主催する
「新 東北みやげコンテスト」の受賞企業です。
「こけし女子」なる言葉まで生まれるほどに大ブームとなっているこけし。東北で生まれた、味のあるかわいらしい伝統こけしは、東北各地で11系統あるといわれています。宮城県内には5つの伝統こけしの系統があり、その中でも最もカラフルでハイカラなイメージを持つのが、白石市の弥治郎こけしです。
写真:販売直後から話題となっていた「弥治郎こけしのマスキングテープホルダー」。着せ替えをするように、マスキングテープを変えるのも楽しいですよ
そんな弥治郎こけしを、マスキングテープホルダーにしたのが、「株式会社不忘印刷所」です。100年以上にわたって、まちの印刷所として地域のお客さまのためのサービスを提供してきました。
「弥治郎こけしのマスキングテープホルダー」の商品企画を担当した柴田さんは「弊社は、地元に根付いたサービスを提供していまして、事務印刷をメインとしています。伝票、封筒、ちらしを作っているんですよ」と話します。
写真:白石駅近くに暖簾を構える「株式会社不忘印刷所」
では、なぜその“まちの印刷所”がこけしのマスキングテープホルダーを作ろうと思ったのでしょうか。「ご覧いただくとわかる通り、こけしには、ろくろ線がありますよね。それを眺めているうちに、なんだかマスキングテープにかぶったんです。弥治郎こけしの模様が着想の決め手でした」。
写真:弥治郎こけし村。各地のこけし展示のほか、こけしの絵付け体験なども行っています
そのアイディアを図面にして、「弥治郎こけし村」での会合に持って行ったという柴田さん。「そのときに話を聞いてくれたのは、新山実さんと新山吉紀さんという工人さんでした。私は月いちでこけし村の会合に顔を出しているんですけれど、そのときは『また始まった』的な感じでしたね(笑)。マスキングテープになじみもなくピンとこなかったんでしょうけれど、リアクションは薄かった記憶です(笑)」。
写真:こけしは、ひとつひとつが手づくり。だから、ひとつとして同じものがなく、それが大きな魅力となっているのです
しかしながら、柴田さんの熱意に押され、制作を引き受けてくれた実さんと吉紀さん。「一緒にやっていく中で『こうしたらいいんじゃないか』と、工人さんからもいろいろなアイディアをいただきました。僕としてお願いしたのは、mt(*)さんのマスキングテープを基準にして、サイズ的にきちんと合うように調整をすること。合わない時は、調整していただきました。そして、この商品は、こけしという工芸品であると同時に、マスキングテープホルダーという道具でもある。お客さまに使っていただくことを意識してほしい、ということをお伝えしました」。
*カモ井加工紙株式会社が展開するマスキングテープのブランド
写真:現在の「弥治郎こけしのマスキングテープホルダー」のラインナップ。どれもキュート!
こうして完成した「弥治郎こけしのマスキングテープホルダー」。お披露目は、「第6回 新東北みやげコンテスト」で、なんと優秀賞を受賞。「『新東北みやげコンテスト』で受賞したことで、工人さんたちからも反応が出てきて(笑)。実際、実さんは会場に来てくれて、見ていてくださったんです。あの時は、商品化したばかりで値段も決まっていなかったし、流通のさせ方も分からない状態でした。でも、あそこに出たおかげで、カネイリ(*)さんとの取引ができましたし、『Tohokuru』(*)に載せていただけました」。
*青森県八戸市に本社を置く株式会社金入。「東北スタンダードマーケット 仙台パルコ2店」や「カネイリスタンダードストア・エスパル 仙台店」などの十店舗のほか「#tohokuru/トホクル」などのECサイトを運営
写真:試作段階から参加している、新山吉紀工人のこけし
写真:試作段階から参加している新山実工人のこけし
また、受賞をきっかけにさまざまな記事が出たことで、「お客さまから反応をいただいたり、息子の中学校の先生から『見ました!買いたいです!』と言われたり…。話題作りとして、本当にありがたかったです」。
この夏からは、新たに佐藤英雄さん、新山民夫さん、武田憲好さん、そして鎌田孝志さんも「弥治郎こけしのマスキングテープホルダー」の工人に加わり、ますますバリエーションが増えました。
写真:新たに参加の佐藤英雄工人のこけし
写真:新たに参加の新山民夫工人のこけし
写真:新たに参加の武田憲好工人のこけし
写真:新たに参加の鎌田孝志工人のこけし
現在、「弥治郎こけし村」のほか、「東北スタンダードマーケット 仙台パルコ2店」「#tohokuru/トホクル」で販売されているので、気になる方はぜひチェックを。あなたのデスクをかわいらしい弥治郎こけしとカラフルなマスキングテープで彩ってみませんか?
株式会社 不忘印刷所
〒989-0273 宮城県白石市字中町25
TEL:0224-26-2070 FAX:0224-26-3070
URL: https://fuboh.jp/enkaku/
担当:柴田知典
撮影/堀田 祐介
東北大学法学部卒業後、仙台市内の商業写真撮影会社に就職。写真の道に進む。アシスタントを経てカメラマンとなり、物撮、人物撮影など、写真全般にわたり様々な仕事をこなしながら10年勤務。その後準備期間を経て独立、現在はフリーランスとして、プロバスケットボール・仙台89ERSオフィシャル(初年度から現在まで。来季で15季目)のほか、雑誌媒体の取材(街ナビプレス・仙臺いろはマガジン・ウォーカー・るるぶ)、商業写真撮影、番組用写真撮影と各方面で活躍。