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ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略|コラム #1

  • 補助金・助成金・給付金
  • 資金繰り・事業計画

2020.08.18

こんにちは、中小企業診断士の鈴木たすくです。
新型コロナウィルスの影響が深刻化しはじめた2月からこれまでに延べ数百件の相談対応を行ってきました。今回のコラムではこれまでの相談内容の傾向と今後企業がとるべき経営戦略についてお伝えします。

融資、給付金の相談が大半をしめた2月~4月

新型コロナウィルスの影響が深刻化しはじめた2月後半から企業からのご相談が徐々に増えてきました。この時期はまだ国や県、市町村の新型コロナウィルス関連の支援施策が整っておらず、融資制度や雇用調整助成金といった既存の支援施策しか無かったこともあり、ご相談のほとんどが融資に関する内容でした。

4月に緊急事態宣言が発令され、4月後半に国・県・市から様々な支援施策が出てきてからは、相談内容も多岐に渡りました。3月に仙台の飲食店でクラスターが発生してからは特に飲食店やサービス業からのご相談が多かったのですが、この頃になると製造業や建設業などからのご相談も増えてきました。
融資相談も相変わらず多かったのですが、この時期は特に「持続化給付金」の申請に関する相談が多かったように思います。仙台市では休業要請に応じた事業者に対する「地域産業協力金」や、休業要請にあてはまらない事業者が対象となる「地域産業支援金」に関する相談も増えていきました。

新たなビジネスに挑戦する企業が増えてきた

6月以降は融資相談の割合は下がり、持続化給付金、雇用調整助成金、宮城県や仙台市の各種支援施策など給付金関連の相談が多くなりました。しかし、一方で支援施策が多すぎて混乱する事業者や、自分はどの制度が該当するのかといった入口段階での問い合わせも多くありました。

6月後半以降になると、「小規模事業者持続化補助金」や「宮城県中小企業等再起支援事業補助金」など、前向きな投資に対する補助金制度の相談が増えていきました。
これらは新型コロナウイルスからの再起を図る取り組みを支援する趣旨のものですが、長引く新型コロナウイルスの影響からこれまでじっと耐えていた事業者が新たな取組や異分野へ進出するといった動きが見られるようになりました。
遡及適用(遡っての補助金受給)が可能であったり、感染症対策の経費も対象となっているなどの特例があった点も大きかったと思います。

コロナが仙台にもたらしたパラダイムシフト

新型コロナウイルスの影響を受けていない業種は無いと言っても過言ではありません。また、消費者の価値観・行動様式・働き方も世界規模で大きく変化してきています。仙台も例外でなく、コロナウィルスを起因にしたパラダイムシフト(今までの考え方や価値観が大きく変わること)が起きています。
コロナ後の業界動向や消費者心理の変化を図にまとめてみました。

【業種別の動向】

【消費行動や働き方の変化】

ウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略

企業を取り巻く経営環境(外部環境)が変化するなか、経営者に求められることは何でしょうか。私は、事業を継続する(生き残る)ために環境変化に適応することだと考えます。

数々の相談対応の経験から、コロナに負けずに前向きに取り組んでいる企業はピンチ(脅威)をチャンス(機会)に変える柔軟な発想力を持っているように感じます。また、他社に負けない自社の「強み」をしっかりと自覚しています。

消費者ニーズや購買行動の変化、生活様式の変化、業界構造の変化等、多くの”変化”の中からビジネスチャンスを見つけ、自社の強みを投入し、新たな価値を創出していくことがウィズコロナ、アフターコロナの経営戦略となります。

平時でも経営戦略を考える際には「環境分析」を行います。
具体的には、企業を取り巻く経営環境について自社内の強み・弱みを抽出する内部環境分析と、自社でコントロールできない外部要因(市場、顧客、競合など)の中からビジネスチャンス(機会)やリスク(脅威)を抽出する外部環境分析を行い、そこから今後の方向性を導き出すのです。
結局はコロナ禍においても経営の原理原則は変わらないのだと思います。

【環境変化に対応した取り組み例】

【ピンチをチャンスに変えた取り組み例】

おわりに

8月現在、「仙台市中小企業応援窓口」にいただくご相談は、支援施策に関するお問い合わせや補助金の申請方法といった内容が多くを占めています。

これから徐々に事業計画の策定、新たな販路開拓や商品開発、ITを活用した経営など、新たなビジネスモデルの転換に関するご相談が増えてくるものと予想しています。また、持続化補助金をはじめ各種補助金の採択後、事業の実行段階においても同様に販路や商品づくり、デザインに関するお悩みも増えてくるのではないでしょうか。

当窓口はこうした多岐に渡る分野の専門家が勢揃いしており、「ワンストップ」で対応できる点が強みです。どんな些細な点でも結構ですので、是非お気軽にご相談ください。

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鈴木 たすく

中小企業診断士

鈴木 たすく

経営の健全化を応援!「中小企業の“街のお医者さん”」として細やかなヒアリングと適切な診断のもと、経営を改善に導きます。