こんにちは、WEB解析士・ブランドマネージャーの三浦 哲志です。
前回のコラムでは、ネットの利用者層やネットショップの市場についてお話ししました。興味をもたれた方は、「コロナ禍でのECサイトはどうなるの?」、「立ち上げのやり方は?」という疑問があったと思います。
今回はコロナ禍のEC市場や、実際にネットショップを立ち上げるときのポイントについてお伝えします。
コロナ禍で大きく普及した国外EC市場
まずは国外市場についてです。アメリカのEC普及率は、直近3か月で約17%から約34%と2倍の成長です。ここ10年間で10%程度の伸び率だったことを加味すると、コロナ禍の影響の大きさがわかります。
引用:マッキンゼー 戦略&コーポレートファインナンス
個別企業については、アマゾンの売上げが50%増、Shopifyで119%増となっており、成長が加速していることが伺えます。
AMAZON.COM ANNOUNCES SECOND QUARTER RESULTS
引用:AMAZON 投資家向けページより
Shopify Q2 2020 Results
引用:shopify 投資家向けページより
コロナ禍で取扱いが増える国内のEC市場
ここで、国内の企業にも目を向けます。代表的なECモールの楽天とヤフーを見てみましょう。
楽天の決算では、第3四半期の流通総額は前年比プラス15.6%です。小さく見えますが楽天の取扱高は1兆円規模ですので、かなりの成長度といえます。
引用:楽天 2020年度決算短信・説明会資料
ヤフーのショッピング事業取扱高に関しても昨年比プラス51.3%となっており、新規購入者・新規出店者が30%以上増加したことの影響と思われます。
引用:Z HOLDINGS 短期決算
加えて大手アパレルやホームオフィス家具販売店も、ネットショップ売上高が昨年同時期に比べてプラス50%ほどになっています。コロナ禍の影響で自宅にいることが多くなり、生活用品をネットショップから購入する人が増えていることがわかります。
このように国内外のEC市場のデータを見ると、今回のコロナ禍がEC市場にかなりの影響を与えおり、今後も影響が継続する可能性が高いことがわかります。
Withコロナの厳しい時代、小売店の売上が下がる中で、EC市場へのビジネスシフトが必須となってきます。
(参考:日本ネット経済新聞・ネットショップ担当者フォーラム)
それぞれ違うネットショップ、3つのカタチ
伸び率の高いEC市場に参入しようとすると、ぶつかる壁があります。「自社にあったネットショップがわからない」、「知識がないとできないのでは…」というものです。
一口にネットショップといっても、さまざまな種類があります。大きく分けると3つに分けられますので、それぞれ説明します。
- 「自社構築」でのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)運用型
- 「BASE」などのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)運用型
- 「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」などのモール出店型
ネットショップは目的や内容により選ぶべき型が変わります。かかる費用や特徴も、それぞれにメリット・デメリットがあります。
「自社構築」でのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)運用型
自社のサーバーにCMSを導入し、システムごと運用するものです。
CMSは簡単に言うと、コンテンツの追加・編集、商品登録や顧客管理などショップの運営に必要な作業を、管理画面から行えるシステムのことです。
国内ですと、EC-CUBE(ロックオン社)が有名です。例えばEC-CUBEのシステムは無料配布ですが、サーバーへの設置や構築などは専門的な知識が必要です。立上げや運用を業者に頼むと高額になることもあり、初期費用は数十万といわれています。
初期費用はかかりますが、自社で保有できるシステムとなるので、自由度が高くこだわりや運用方法を独自にカスタマイズできます。ショップを自社の資産として保有できることもうれしいポイントです。
「BASE」などのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)運用型
テンプレートから好みのものを選択し、写真や文字を書き換えることで、専門知識なしに簡単にショップを構築できるサービスです。
近年有名になった「BASE」などをご存じの方も多いかと思います。運用も必要な機能が提供されており、マニュアルに沿って作業するだけです。
基本的には使用料かかり、月額制のものが多いサービスです。BASEの場合ですと、使用料は無料で販売額に応じた課金制となります。
無料で始められるため、課金制のシステムを試したくなる方も多いですが、販売額が大きくなると、毎月の課金額もかさむため注意が必要です
さらに収入となる販売額を振り込むための手数料も必要になります。売り上げ目標や運用方法を考えたうえで選択したほうがよいでしょう。
「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」などのモール出店型
モール出店型は、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、複数のネットショップが集まるサイトです。
ショッピングモールがネット上にあるとイメージするとわかりやすいでしょう。
運用担当者が付くため、アドバイスをもらえたり、モールの販促方法があるなど、サポートがしっかりしています。もともと多くの利用者があるので、広告宣伝費をかけずともショップを認知してもらえるのも特徴です。
モール出店は場所を借りる感覚に近く、ショップ自体は自分で構築する必要があります。モールの管理画面で操作もできますが、ある程度の知識や訓練が必要です。
運用費用としては、月額制の場所代がかかります。モールによっては基本利用が無料で、注文ごとに利用料がかかるシステムもあります。また、モールごとに取扱高規模が違うため、売れるチャンスを考えて出店する必要があります。
まとめ
コロナ禍でのEC市場の成長や、ネットショップを運用する3つの型について、特徴をお話ししましたがいかがでしたでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットをふまえ、どのようなネットショップにしたいか、目的や資金状況を加味して選択をすることがポイントです。
導入するときは偏った情報にとらわれず、幅広い選択肢の中からご自身にぴったりの運用タイプ探してみましょう。
「導入するネットショップの選択に迷っている」、「導入したいがが何から始めたらいいかわからない」という方は、IT導入の専門家がいる仙台市中小企業応援窓口にて、お気軽にご相談ください。
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ウェブ解析士・ブランドマネージャー
三浦 哲志
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