こんにちは、コピーライターの沼田佐和子です。
自社の魅力や商品の特徴を消費者に伝えるためには、広告宣伝が不可欠。でも、どんな手段でどんなことをすればいいのか、実は、ちゃんと分かっていない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、ついつい言ってしまいがちなNGワードをピックアップしました。知っているようで知らない広告宣伝のポイントを、あらためて考えてみましょう!
言ってない?要注意ワードワースト5
- 「魅力が伝わらない!よし、パンフレットを作ろう!」
- 「売り上げが上がらない?じゃ、ポスティングしようか。」
- 「ウェブサイトにウン百万かけて集客するぞ!」
- 「SNSに予算はいらないでしょ。」
- 「映える写真とか興味ないんだよね。」
今回のコラムは前編として上記の1〜2をご説明します。3〜5は次回の続編でご説明する予定です。
1.「魅力が伝わらない!よし、パンフレットを作ろう!」
NGポイント → 【何か作る】=【伝わる】ではない!
広告を扱う人が、新人のころ最初に叩き込まれることがあります。
それは、「広告は見てもらえないものだ」ということです。
YouTubeの広告をスキップした経験、雑誌のPR記事を読まなかった経験、おもしろそうだな、とクリックしたけど、なんだ広告か、と思った経験、ありますよね。
駅貼りのポスターはよっぽど暇じゃないと立ち止まって見ないし、道でもらったチラシは捨てるし。
これは、あなた特有の行動ではありません。ほとんどの人は、広告に対してこのような行動をとります。ということは、あなたの会社の広告にも、人々はあなたと同じ行動をとるということです。
広告だな、と思ったら、「見るモチベーション」は下がるものなんです。
さらに、自社の魅力を伝えたいと思うと、どうしても内容を詰め込んだものにしたくなるものですが、これも「見るモチベーション」を下げる要因になってしまいます。
開発のストーリーを入れたい、社長の気持ちを入れたい、使い方や口コミ、自社の歴史、ほかの商品についても紹介したい…と、詰め込みすぎると、なおのこと伝わらなくなります。
自分の魅力だけ書き連ねたラブレター、読みたいと思いますか?「お腹いっぱい…」になるでしょう。一生懸命想いを詰め込んだ広告をつくれば、その分見てもらえるとは限らないのです。
では、「広告は見ない」の壁を突破するにはどうしたらいいのか。
特効薬はありません。
まずは顧客に向き合うことです。
顧客がどういう行動をして、どういうタイミングでその広告に触れるか考えることが大切です。パンフレットなら、だれに見てもらいたいのか、どのように配布するのか、どう作ったら興味を持ってくれるのか。
ひとつひとつ分析して、積み上げる必要があります。
2.「売り上げが上がらない?じゃ、ポスティングしようか。」
NGポイント → ターゲットを絞って、ターゲットに届く手段を選んで!
前項で「顧客に向き合う」と書きました。
広告宣伝をするときに最初にやることは、その「顧客」が誰なのか分析することです。
想定される顧客のことを「ターゲット」と言います。
広告はお金を出して打つものなので、どうしても「たくさんの人に見てもらいたい」と思うものです。
私もクライアントによく「20代~40代女性が中心だけど、若い男性にも見てもらいたくて。あとファミリー層や子育て世代も。それからシニアも視野にいれたい」みたいなことを言われます。
その気持ちは重々分かりますが、ターゲットを絞らないのは広告宣伝として「やばい」です。
なぜならば、そうしてしまうと、広告の訴求力がものすごく落ちるからです。
ターゲットを絞ることの良さは、砂場のアリジゴクの巣に例えられます。
アリジゴクの巣は、砂場の一か所を深く深く掘ります。そうすることで、周りの砂が中心に向かって落ちてきて、巣の範囲は広がり、エサがとりやすい巣になります。
一方、砂場の全体を1cmずつ掘ったらどうでしょう。掘る作業は大変ですが、平坦な砂場にエサは落ちてきません。
ターゲットを絞るという作業も同じです。
ターゲットを掘り下げると、エサが落ちてきやすい巣になり、ターゲット以外の人にも見てもらいやすくなります。
一方、ターゲットを広くしすぎると、だれも引っかからない巣になってしまうのです。
「たくさんの人に見てもらいたい」という気持ちはいったん飲み込んで、「この人に見てもらいたい」という人物像を考えてみてください。
ターゲットを細かく設定した結果、「バリバリ働く20代後半ガジェット好き、独身の男性に見てもらいたい!」と決めたら、ポスティングという手法はふさわしくない可能性があります。YouTube広告やTwitterでの広告を考えたほうがいいのかもしれません。
ターゲットをきちんと設定することで、広告宣伝する手段も内容の作り方も変わってきます。
チラシをつくる!と決める前に、勇気をもって、ターゲットを絞る作業に取り組んでみてください。
まとめ
今回はまず、広告宣伝するときの心構えについて書きました。基本の「き」の一番上の横棒のお話です。
広告宣伝=プロモーションは、一筋縄ではいきません。「最近なんだかうまくいかない」「どう宣伝していいか分からない」と感じたら、ぜひ応援窓口にご相談ください。プロモーションのプロがご対応いたします。
次回は3~5のセリフについて解説します。ウェブを使った広告宣伝に興味がありましたら、ぜひお読みください。
相談予約は電話またはフォームで承ります。
コピーライター
沼田 佐和子
言葉づくりや広報を通して販売促進を応援!コピーライティングをはじめ、ブランディング、ウェブサイト企画、SNS運用など、広報戦略全体のディレクションを行います。限られた予算で、最大限にパフォーマンスを発揮する方法を提案します。