こんにちは、コピーライターの沼田佐和子です。
前回は、広告宣伝のNGワードについて、2つご紹介しました。
NGポイント1は、「【何か作る】=【伝わる】ではない!」というお話を、
NGポイント2は、「 ターゲットを絞って、ターゲットに届く手段を選んで!」ということで、伝える相手を明確にするということをお話しました。
今回は、後半の3つをご説明します。
言ってない?要注意ワードワースト5
- 「魅力が伝わらない!よし、パンフレットを作ろう!」
- 「売り上げが上がらない?じゃ、ポスティングしようか。」
- 「ウェブサイトにウン百万かけて集客するぞ!」
- 「SNSに予算はいらないでしょ。」
- 「映える写真とか興味ないんだよね。」
今回のコラムは後編として上記の3〜5をご説明します。1〜2は前編をご覧ください。
3. 「ウェブサイトにウン百万かけて集客するぞ!」
NGポイント → ウェブサイトは「家」のようなもの。「ご招待」がなければ「家」にはたどり着きません。
ひと昔前、農家が多いエリアなどでは、「家」は地域と地続きでした。私の実家も玄関に鍵はかけていませんでしたし、気付いたら近所のおばさんが茶の間にいたり、縁側で幼なじみが遊んでいたりしました。
今は、たとえマンションの隣の部屋であっても、事前のアポなしで訪問することはめったにありません。招かれて初めて、足を踏み入れるのが、現代の「家」です。
ウェブサイトも、現代の「家」のようなもの。
いくらカッコよくて見やすいウェブサイト=「家」を作ったところで、「ご招待」がなければ訪問数は増えません。お金と時間をかけて構築しても、どんなに心に響くコンテンツがあっても、見てもらえなければ宝の持ち腐れです。
そんな「家」を見てもらうための「ご招待」という手段が、SNSです。
SNSで興味を持ってもらう(ご招待)→ウェブサイト(家)に来てもらう
というのが、ウェブサイトに人を流入させるために不可欠なルートなんです。
ここで、
「SEO対策やって、検索画面の上のほうにウェブがくるようにしておけばいいんじゃ?」
と思う方もいると思います。
もちろん、SEO対策は大事です。自分のお店や会社の名前で検索したときに、似たような名前の競合よりも上に出るようにしたほうがいいに決まっています。
でも、着目すべきは、そうやって「検索させること」自体が難しいという点です。
例えば、居酒屋で隣の集団と意気投合したとしましょう。「今度一緒に仕事しようね!」などと名刺交換した相手が、次の日の朝、その名刺を引っ張り出して社名を検索する割合はどれくらいでしょうか。
自分に置き換えて考えれば、そんなに高いとは言えませんよね。
隣の客と盛り上がるくらい酔っぱらったら、次の日は朝礼に出るのが精いっぱいですし、理性を取り戻したころには昨夜の酔っ払いのことなんか、おおよそ忘れています。
実際に会った相手ですらそうなんです。
誰かに「パソコンを開いて、Googleをクリックして、文字を打って、検索させる」という行動をとらせることは、とっても難しいことなのです。
じゃあ、どうしたらウェブサイトの訪問者数を増やせるのでしょうか。
その手段として有益なのが、前述したSNSです。
4.「SNSに予算はいらないでしょ。」
NGポイント → SNSは仕事です。「承認欲求を満たす遊びだ」という意識を抹消しましょう
私は今年で41歳になります。若い時には信じられなかったのですが、20年前のことが「ちょっとこの前」のように感じられます。
20年前、大学生だった私はmixiをしていました。このコラムを書くためにmixiを開くべきかと考えましたが、恥ずかしくて開けませんでした。思い出したくありません。
そのあと、twitterで「つぶやく」のがはやり始め、2011年の東日本大震災を契機に、Facebookやtwitterの有用性が叫ばれるようになりました。
YouTubeがTVにとってかわられるようになり、「SNS」という言葉が出てきました。
Instagramの登場はそのあと。インスタ女子や映える(ばえる)という言葉が言われるようになったのは、2017年ごろです。
このように、SNSは瞬く間に私たちの生活に浸透してきました。
そして最初SNSは、若者世代で「遊び」として流行りました。
だから「インスタなんて映えを狙う女子高生がやるもの」と考えている方も、まだまだ少なくないと思います。
残念ですが、今うなづいたあなたは、時代に取り残されています。
SNSは、かなり前から遊びではなくなりました。
SNSは、仕事です。
「Instagramの利用者の男女比は、ほぼ同数になっていますし、40代もほぼ50%が利用しています。(2021年時点)
前項でお話したように、ウェブサイトへの誘導としてはもちろん、自社のブランディングをお客さまに伝える方法としても、SNSは不可欠です。
広報戦略の一環として、作戦を立てて実行してく必要があります。
そして、「SNS?必要だよねー、わかってるわかってる」という事業者の方がそのあとよく言われるのが、次の言葉です。
「SNS効果あるのかな?会社の若い人に任せてるんだけど、集客につながってる実感ないんだよね」
もう一度言いますと、SNSは、仕事です。
会社の営業戦略を、若い人に丸投げしますか?
内容を検討し、会議して、やり方を決め、実行し、見直し、と進めるはずです。
SNSも同じです。コストと時間をかけて、戦略的に行ってこそ、SNSが本領を発揮するのです。
SNSは無料でアカウントをつくれますが、その運用には少なくとも「人件費」というコストがかかります。投稿写真や動画をプロに頼んだりする必要も出るかもしれません。アクセス数を増やすために、SNS広告という手段もあります。
「無料でちょっとやれば、なんとかなる」は間違いです。
褌を絞めなおして、SNS戦略を考えましょう。
5.「映える写真とか興味ないんだよね。」
NGポイント → 「映える」の意識を変えましょう!
相手に伝えるために、SNSの運用が不可欠だという話をしました。
2021年には、SNSの利用者数は日本で80%を超えるという調査結果が出ました。ということは、今はもっと増えています。
SNSを使ったコミュニケーションで重要なのが、「写真」です。
そういうと「映え…そんなん自分じゃとれない…」と言われる方が多いのですが、実は、「映え」=「写真がうまい」ではありません。
では、どんな写真が「映える」のでしょうか?
ここで出てくるのが、前回お話した「伝わる」と「ターゲット」です。
SNS時代に求められる写真は、「パッと見て、何が言いたいかわかる写真」です。
スマホでSNSを見るとき、みなさん、スッスッとスクロールしますよね。
ひとつの記事が視界に入るのは、1秒もないと思います。
その短い時間で目に留まるのが「映える」写真です。
アングルがうまいとか、画質がきれいとか、美しいとか、そのへんは正直関係がありません。
このお寿司の写真、ピントも合っていませんし、下のお皿もきれいじゃない、あまり美しい写真じゃないですが、ただお寿司が並んだ写真より、目を引くように思いませんか?
「回らない寿司を食べに来た!」(奥のショーケースで回転寿司ではないことが見える)
「今まさに食べるよ!」(箸で持っている)
という意図が伝わるからです。
自分がその写真で何を表現したいのか、どう伝えたいのかを考え、
その表現に必要な要素だけを画面いっぱいにうつす、というのが、
近年の「映える」写真ではないかなと私は考えています。
すなわち、相手に伝えたいという意識があれば、「映える」写真は難しくありませんし、興味のありなしに関わらず、「映える」ことは、「伝えるために必要な手段」なのです。
まとめ
いろいろ書きましたが、「その広告を見る人のことを、一番に考える」というのが、広告や広報で一番必要なことだと私は考えています。
そうはいっても、自分ひとりで広報戦略を考えるのは簡単なことではありません。
そんな時は、ぜひお気軽に「オーエン」に足をお運びください。
広告のプロフェッショナルたちがみなさまの状況を丁寧にヒアリングし、広報戦略を考えるお手伝いをいたします。
アエルの7階でお会いできるのを楽しみにしております。
※ウェブを使った広告宣伝に興味がありましたら、前回のコラムもぜひお読みください。
相談予約は電話またはフォームで承ります。
コピーライター
沼田 佐和子
言葉づくりや広報を通して販売促進を応援!コピーライティングをはじめ、ブランディング、ウェブサイト企画、SNS運用など、広報戦略全体のディレクションを行います。限られた予算で、最大限にパフォーマンスを発揮する方法を提案します。