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株式会社Pallet|デジタル化推進補助金活用事例#5

Google Workspaceを導入した情報管理とツール集約による業務効率化

「株式会社Pallet」は、組織開発コンサルティング(組織づくり)、コーチングスクール運営(人づくり)、地域共創事業(まちづくり)という3つの事業を柱とする企業です。近年では特に「組織づくり」のニーズが高まっている、と広報担当の小向祐子さんは説明します。「『組織づくり』の事業では、半年から1年という時間をかけ、組織の抱える課題を共に解決していきます。

中心となるのは、当社と外部コーチたち。コーチングコミュニケーションスキルを持ったメンバーです」。創業当初は4名ほどでスタートした事業も、いまや全国に100人超のメンバーを抱える大所帯へと成長しました。しかしそれに伴い、ある課題も見えてきたといいます。この度の「仙台市地域企業デジタル化推進事業補助金」活用が、課題解決へどのように寄与したのか。小向さんにそのいきさつを伺いました。

導入ツール・システム

  1. 「Google Workspace Business Standard」の導入

取り組みの効果

  1. 会社全体で200時間近くの作業時間軽減に成功
  2. 代替可能となった旧ツールを解約することで経費節減
  3. データ管理の属人化の防止と、引継ぎや全体への情報共有がスムーズ化に成功
同社のオフィスは、「komupace」が運営するシェアオフィス内に位置。

 01  補助金を活用してどのような事業を行いましたか?

「Google Workspace Business Standard」という情報管理ツールを導入しました。導入目的は主に4つあり、「共有ドライブによる情報の一元管理と集約、容量の確保」「セキュリティ強化」「カレンダー共有とオンライン会議ツール『Google Meet』の活用」「独自ドメインの取得」です。当社では近年、事業拡大に伴うメンバー増員によって、さまざまな課題が生じていました。先に挙げた4つはいずれも、これらの課題解決を目的としたものです。

業務に使用するPowerPointや進捗情報管理のファイル、顧客情報などあらゆる資料が共有ドライブを介してやりとりされる。

 02  どのような課題があり、補助金を申請しようと思ったのでしょうか?

まずひとつに、運営側でメンバーアカウントを一元管理できないことによる「共有ドライブの容量ひっ迫」と「セキュリティ面の問題」がありました。当社では全国各地にいる100人超の外部コーチと業務提携をしていて、メンバーは共有ドライブを通じてファイルの管理を行います。これまで共有ドライブは無料のGoogleドライブを利用し、アクセスは各自の個人アカウントから行っていました。しかし業務提携が終了しても運営側からアカウントを削除できないため、セキュリティ面に課題を抱えていました。

また、Googleドライブ上でファイルを管理しているため、事業成長とともにドライブ自体の容量がひっ迫するようになっていました。

「オンライン会議を行うアカウントの空きがない」という問題もありました。現在、業務別にチームが7つあり、それぞれが週に1、2回のペースでオンライン会議を行っています。当初、オンライン会議用にZoomアカウントを2つ契約していたのですがまったく足りず、「Zoomが空いている時間にあわせて会議の日時を設定する」ことが常態化していました。また会議に出席できなかったメンバーと共有するため、すべての会議はZoomアカウント上に録画保存していますが、その保存容量もパンク状態でした。

さらに「送付したメールがお客さま側のサーバではじかれてしまう」ことも悩みの種でした。当社では外部サーバが発行する独自ドメインのメールをGmailへ一旦転送する形で使用していました。しかしこれが「なりすましメール」と判断され、エラーで戻ってしまうケースが頻発していたんです。特に急ぎの案件でこれが発生するとトラブルにもなりかねないため、非常に頭を悩ませていました。

対策を検討する中で行きついたのが「Google Workspace Business Standard」の導入です。横断的なサービスを提供していて、これひとつで私たちが抱えている問題すべてが解決できる。さまざまなツールを調べた中でも、これがベストだと思いました。「仙台市地域企業デジタル化推進補助金」については「私たちのようなケースに対するサポ―トはないだろうか」と、ウェブで情報検索をして見つけました。

「メンバーが増えたことで、当初は想定していなかった困りごとが出てきた」と小向さんはふりかえる。

 03  課題を改善する上で、大変だったことについて教えてください。

「Google Workspace Business Standard」導入と同時に、メールサーバや共有ドライブ、カレンダーなど業務で使用するツールが一気に切り替わります。そのため移行のアナウンスは、漏れがないよう徹底して行う必要がありました。さらに周知後は作業に対する問い合わせ対応や運用ルール決めなど、導入準備に追われることになりました。

導入の実作業で一番時間がかかったのは共有ドライブの移行です。移動させるファイル数が多かったこともありますが、ドライブ内にある既存ファイルは、ほとんどがメンバーの個人アカウントで作成されていたため、ファイル作成者にオーナー変更をしてもらうかオーナー変更したファイルをコピー作成する必要があったんです。

しかしいずれもメンバーが積極的に協力してくれたおかげで、計画的に乗り切ることができました。

データ移行は、小向さんたちが一つひとつ手作業で行ったそう。「アカウントに関する問題でGoogleサポートの手を借りた場面もありました」。

 04  ITツールの導入によってどのような成果が得られましたか?

先にお話しした課題はすべて解決できました。共有ドライブの容量は現在、34テラバイトが上限。ここまで増やせば、もう容量が一杯になる心配はなさそうです。またアカウントは管理コンソール画面で一元管理できるようになりました。アカウントの追加や削除、編集権限の設定は管理者側ですみやかに実施でき、またアカウント削除後は共有ドライブにアクセスできなくなるため、セキュリティ面の不安もなくなりました。

さらにメールに関しては「Google Workspace Business Standard」のビジネス用メールアカウントを使用することで、転送の必要がなくなったため、なりすましメール判定をされることもなくなりました。

一番メリットを感じたのはオンライン会議ですね。これまでは「Zoomの空き状況を確認する」「会議のURLを発行する」「会議参加者へ案内メールを出す」「会議後は録画データを格納し、参加できなかった人へ案内を送る」……という、二重三重の手間がかかっていました。しかし導入後は共有カレンダーに、Google Meetで発行した会議URLが自動的に掲示され、それが録画データへのリンクも兼ねてくれます。アカウント数、つまりメンバーの数だけ会議を立ち上げることができるので、空き状況を確認する必要もなくなりました。録画データの保存容量にも余裕があります。

加えて経費削減にもつながりました。従来のGoogleドライブの容量を有料で追加した分と、独自ドメインのメールサーバ契約が不要になり、すべて解約することに。またZoomのアカウントも2つあったうち1つは解約しました。ちなみにZoomについては「Google Meetには実装されていない便利な機能」があるため、1つは予備として利用を継続しています。

「組織づくり」のほか、組織改善力を持つ人材を育てる「人づくり」、町を活性化させる「まちづくり」という3つの領域で多彩なプロジェクトが進行している。

 05  最後に、今後の展開について教えてください。

「Google Workspace Business Standard」にはほかにも便利な機能が実装されているようなので、積極的に活用してみたいですね。たとえば「Workspace」という機能では、プロジェクトを一元管理するルームを立ち上げることができるみたいなんです。これまでは「Aというプロジェクトに関するデータはここに格納します」という管理が必要でしたが、必要なモノや情報はプロジェクトごとのルーム内で管理できそうだな、と期待しています。

事業としては、「組織づくり」「人づくり」「まちづくり」において、さまざまなアプローチから課題解決を行っていきたいですね。当社はミッションとして「幸せにはたらく人を増やす」という理念を掲げています。「自分の価値観と未来への意志に沿ってはたらくことができたら幸せだな」という思いを軸に置きつつ、一人でも多くの人と思いを通わせることができればと思っています。

企業概要

株式会社Pallet

事業概要:組織開発コンサルティング・コーチングスクール運営・地域共創事業

〒982-0841
 宮城県仙台市太白区向山4-18-7 canvas107号
 TEL080-5489-1060(代)
https://pallet.work/


デジタル化推進補助金活用事例

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