データで見る事業承継

DATA1後継者が最も苦労することとは?

後継者の1/3以上が「経営力の発揮」で苦労 「先代経営者から事業を引き継いだときに苦労した点」 経営力の発揮:35.8%、金融機関からの借入:24.7%、取引先との関係の維持:24.7%、一般従業員の支持や理解:19.3%、金融機関との関係の維持:19.1%、株式の買い取り:10.2%、相続税、贈与税の負担:10.1%、役員や経営幹部の支持や理解:9.1%、親族間の相続問題:6.9%、事業用不動産の買い取り:2.9%、その他:4.3%、特になかった:26.3%、無回答:4.1%(回答総数:2,910件/n=1,504)
「先代経営者から事業を引き継いだときに苦労した点」
出典:事業承継実態調査(中小企業基盤整備機構 平成23年3月実施)

金融機関との取引や税金など、事業承継にあたっての課題は様々ですが、最も多くの苦労したのは「経営力の発揮」。先代経営者はその豊富な経験から経営に必要な知識やノウハウを有していますが、それを引き継ぐには時間がかかります。

DATA2後継者の育成に必要な期間は何年?

後継者の育成に必要な期間は「5~10年」 【中規模事業者(n=1,910)】3年未満:8.6%、3年以上5年未満:24.5%、5年以上10年未満:47.4%、10年以上20年未満:16.3%、20年以上:3.2% 【小規模事業者(n=2,860)】3年未満:14.8%、3年以上5年未満:29.4%、5年以上10年未満:39.9%、10年以上20年未満:13.6%、20年以上:2.3%
「現経営者が考える後継者の育成に必要な期間」
出典:中小企業「中小企業白書(2014年版)」

先代経営者が培ってきた経営に必要な知識やノウハウは一朝一夕では身につきません。多くの経営者が後継者の育成に5年以上の期間が必要と考えています。

DATA3何歳から事業承継に取り組む?

60代を境に事業承継に取り組む経営者が増加 【20代(n=3)】取り組んでいる:0%、取り組んでいない:100%、何をするべきかわからない:0% 【30代(n=23)】取り組んでいる:4.2%、取り組んでいない:95.7%、何をするべきかわからない:0% 【40代(n=96)】取り組んでいる:27.1%、取り組んでいない:70.8%、何をするべきかわからない:2.1% 【50代(n=165)】取り組んでいる:38.2%、取り組んでいない:57.6%、何をするべきかわからない:4.2% 【60代(n=259)】取り組んでいる:61.8%、取り組んでいない:34.7%、何をするべきかわからない:34.7% 【70代(n=115)】取り組んでいる:66.1%、取り組んでいない:28.7%、何をするべきかわからない:5.2% 【80代以上(n=38)】取り組んでいる:65.8%、取り組んでいない:26.3%、何をするべきかわからない:7.9%
「事業承継に向けた取り組みをすでに始めていますか。」
出典:事業承継に関する市内中小企業アンケート調査報告書(仙台市経済局平成29年2月発行)

60代を境に事業承継に取り組む経営者が6割以上に増加します。後継者の育成には時間がかかり、様々な手続きも必要となるため、元気なうちに取り組みをはじめる経営者が多いようです。

DATA4親族に引き継がない経営者はどれだけいる?

4割以上の経営者が親族以外への承継を検討 親族への承継:58.5 %、親族以外の役員・従業員への承継:25.4 %、親族以外の外部の人材への承継:4.9 %、譲渡・売却による承継:4.0 %、その他:7.2 % (n=776)
「どのような形で事業承継を考えていますか。」
出典:事業承継に関する市内中小企業アンケート調査報告書
(仙台市経済局平成29年2月発行)

多くの中小企業の経営者は自分の親族の方への承継を望んでいると思います。しかし、現実には親族に継ぐ意思が無いなど、理想通りにはいかないことも多いようです。その際は、従業員や外部人材への承継、事業譲渡・売却による承継など様々な形での承継を考える経営者も少なくありません。