開業者インタビュー
合同会社kotsubu-stationery
小売
日本一敷居の低い万年筆屋を目指して~ペンとインクと文房具の店 樂(らく)
起業のきっかけは何ですか?
20年間仙台市内の文房具店に勤務してきました。
「文房具」というのは、実は細かく用途や機能が分かれているものもあり、できるだけきちんと説明をして販売したいという思いで接客をしてきましたが、仕事にローテーションのある職場では、どうしても時間に制約があるため、難しさを感じていました。
特に万年筆をはじめとする筆記具は、その方の持ち癖や好みなどに合わせた方が、より快適にお使いいただける文房具であるため、接客はキチンと時間をかけて取り組みたい。しかし、1人の接客に時間をかけるとシワ寄せが他のスタッフに行ってしまう。高級筆記具の担当になってからはいつもその問題を考えなければなりませんでした。
それに加え、高齢になり健康に不安が出てきた両親は他県に住んでいるため、もう少し自由に休日などを裁量できる環境で仕事をしたいということもありました。
50代に入って残りの人生の時間を考えた時、自分のペースで仕事をしてみたいと考えるようになり、起業を目指すことにしました。
お店の特徴やこだわり、店名の由来を教えてください。
店名の樂(らく)は、以前の勤務先で発行していた新聞『文具道樂』から『樂』の一文字を取りました。文房具は「ちゃんと選ぶと楽になる・楽しくなる」という思いもありました。社名のkotsubuには、一応深い理由があるのですが、それは社外秘でございます。
当店のこだわりは「商品については、しつこいくらいに説明すること」です。実際に、きちんと説明するとお客様も納得して買っていただけているようですし、それが再来店にもつながっているように思います。
お店の内装は「できるだけ高級感が出ないように」しました。「万年筆=高い」というイメージで敬遠されたくなかったからです。ですので、ヒゲのおじさんが一人でやってるお店の割にはかわいいキャラクター商品も並んでいたりします。
また、小さなお店ならではですが、一人のお客様にじっくりと対応することができます。初めてお使いの方や久しぶりにお使いになる方には、持ち方や書き癖を見て、使い方や手に合ったペンをご提案しています。そのほか、インクの品揃えがかなり多いことも、遠方からのお客様にお越しいただけてる要因になっているかと思います。
洗浄など簡単な修理にも対応しています。古い万年筆がまた使ってもらえるようになるのは嬉しいものです。しかし、購入に来たお客様にも「昔使っていて眠ってるのがあったら持って来てください」とつい言ってしまうので商売にならないこともままありますが。
アシ☆スタのサポートはいかがでしたか?
妻がネット検索で見つけたのがきっかけです。1人で調べても起業についてわからないことが多かったので、まず窓口相談を利用しました。その後もいくつかのセミナーを受講しましたが、一番助けになったのは「事業計画編」を受講したことです。ひとりでいると煮詰まってしまったり、仕事をしていないという現実が重く感じられることがあったため、外に出て誰かと話す、仕事に関する何かをしている、という状況に身を置けたのは精神的にかなり助かりました。違う業種の方と継続的な関りができたのも、考え方が偏らないようにするために良かったと思います。このセミナーの同期受講者の方とは今でも連絡を取ったりしています。
今後の展望を教えてください。
まずは、初心者の方が楽しく選んで買えるお店にしていきたいです。それと、将来的にはオリジナル商品も増やしていきたいですね。オリジナルインクに併せて、これからはオリジナルの万年筆や使い勝手のいい紙製品を作りたいと思っています。
今はちょっとしたインクブームですが、集めたインクを使う楽しみを知っていただきたくて、カリグラフィー教室の定期的な開催も始めました。
とにかく、この東北で文房具を楽しんでいただける環境づくりを目指したいと思います。
起業家からのメッセージ
万年筆は高級なイメージが先行してしまいがちですが、お手頃な商品もございます。
まずはお店に遊びに来て試してみてください。
当店は日本一敷居の低い万年筆屋を目指します!
ご来店お待ちいたしております。
取材日:2019年6月19日
開業者情報
- 企業名
- 合同会社kotsubu-stationery
- 代表社員
- 藤田 千暁
- 設立
- 2018年6月
- HP
- https://ameblo.jp/pens-and-inks-shop-raku
- 電話
- 022-397-9188
- 所在地
仙台市青葉区二日町10−26 ファヴール北四番丁2F