よいみせ│itoshigoto
広瀬川沿いに広がり、おしゃれなカフェや飲食店なども軒を連ねる仙台の人気エリア・米ヶ袋。その一角の雑居ビルの2Fにある毛糸専門店が「itoshigoto」です。
オーナーの小山未紗さんが2020年にオープンし、輸入した毛糸のほか、ご自身で染めた毛糸や手編みの靴下や子供服なども販売しています。
写真:カラフルな毛糸が壁面にずらりと並びます
小山さんは「東京に住んでいたころから、毛糸を染めてマルシェに出したりオンラインで販売したりしていたんです。仙台出身なので、いずれは仙台に帰りたい、お店を持ちたいなという思いがありました。コロナが自分の生き方を見直すきっかけになって、ちょうどそのころ仙台の大きな毛糸屋さんが閉店するというので、私が帰って毛糸屋さんをやろうと思ったんです」と話します。
小山さんが編み物をするきっかけとなったのは、その家庭環境にありました。
写真:小山さんが編んだ靴下。お店で販売しています
「私の母も編み物をしていましたし、祖母の妹がかなり編み物をする人だったので、その影響が大きいですかね。でも、私が本格的に編み物にハマったのは、フィンランドに留学していたときなんです。フィンランドの冬は寒くて夜が長い。だから、フィンランドの人って男女関係なく編み物をする人が結構いて。普通にスーパーに毛糸が置いてあるくらい、生活になじんでいるんです。それで私も編むようになって。最初につくったのは、スヌードでした。寒いからつくってすぐに活用できて楽しくなっちゃって。それでどんどんエスカレートしていった感じです(笑)」。
帰国後、小山さんはSNSで海外の人たちが自分で毛糸を染める様子をみて、自身でも毛糸を染めるようになったのだそう。
写真:好きなものに囲まれて仕事をしている小山さんは、とてもいきいきとしています
「キッチンで簡単に染められるんです。自分の欲しい色にできるし、小ロットなのでお客さまの反応をみながらできるのもいいですね。特にテーマは決めてはいないのですが、今だと春っぽい色が並んでいて、秋になるとこっくりした色が増えて…という感じにはなりますね」。
店内には古い編み機なども並び、「この編み機でいろいろつくったりしているんです。現役なんですよ」と、小山さんが楽しみながら商いを続けている様子がうかがえます。
写真:さまざまな素材、色、太さの毛糸が並んでいて、見ているだけでも楽しい
「将来的には、お店と家を一緒にしたいなって思っていて。私の祖父母が呉服店を営んでいたのですが、1階がお店で2階が家…みたいなのがずっと理想で。あとは、刺し子の糸を染めている人とか布屋さんとか、ボタン屋さんとか、個人でやっている手芸周りの人で集まって何か大きい手芸屋さんみたいな感じで一緒にできたら楽しいなとも考えています」。
小さいながらも、楽しくてあたたかな小山さんの店「itoshigoto」。編み物教室なども開催しているので、興味はあるけど未経験…という方も、気軽に訪ねてみてはいかがでしょうか。