仙台市地域企業課題解決マイスター
坂手 勇次氏
Yuji Sakate
東北工業大学ライフデザイン学部産業デザイン学科 教授
- 専門分野
- デザインマーケティング
消費者が求める価値を提供するデザインで
仙台、そして東北のビジネスに変革を!
民間企業での広報宣伝部やデザイン部などを経て、現在、東北工業大学で学生の指導にあたっている坂手先生。専門は、デザインマーケティングです。
「デザインマーケティングというのは造語で、そのものずばりデザインとマーケティングを足したもの。僕のやっていることが広告宣伝、ブランディング、プロダクトデザインのほか、経営戦略、事業経営と多岐にわたっているので、一つにすることがなかなか難しくて。それですべてをひっくるめてデザインマーケティングといっています」。
御用聞き事業にかかわるようになったのは、2014年からで「共同研究に進んだ例を三つ挙げると、一つは、宮城県にあるウレタンの素材メーカーである東北イノアックさん。あとは、東通インテグレートさんとワイヤード・ビーンズさんです」。
株式会社東北イノアックとは「BtoCの商品としてコンシューマー向けの商品企画を考えたい、という内容でした。学生にとっても企業と連携するのは勉強になるので一緒に取り組ませることとし、かわいらしいお風呂掃除グッズやジュエリーボックスなどが完成しました」といいます。
東通インテグレート株式会社とは、SNSの運用を一緒に行っているそうで「Instagramのグルメアカウントを学生がイチから立ち上げ、どうやったらフォロワーが増えるのか、マネタイズにつながるのかを考え、楽しみながら実行してもらっています。現在3万人のフォロワーがいて、最近ではお店のほうから取材にきてほしいという依頼もあります。マネタイズはこれからの課題ではありますが…」とのこと。
IT企業であり、「生涯を添い遂げるグラス」など良質のものづくりでも話題となった株式会社ワイヤードビーンズとは、バーチャルショールームをつくったそう。「ワイヤードビーンズさんは東北の職人さんのつくったものを販売するサイトを運営しておられるので、ギフト通販で何ができるだろうということをやらせていただきました。たとえば、親の金婚式のギフトを選ぶのにネット上で兄弟が集まって一緒に選ぶ、そこにビデオメッセージをつける…というような、学生にギフトって何なのか考えてもらういい機会になりましたね」。
今後、坂手先生がかかわってみたいことについて伺いました。「消費者の潜在ニーズをモノやサービスの価値として顕在化させるのが、デザインです。今後は、漁業、農業まで広げてもいいのかなと思います。あとは、ネットサービスにも手を広げていきたいとは思っていますが、まぁ、これもめぐり合わせですからね」と笑います。
最後に、坂手先生にデザインとは何かを問うと「消費者が求める価値を発見し、提供すること。姿や色や形だけではない。だから、ビジネスそのものがデザインなのではないかと思います」と教えてくれました。坂手先生はこれからもデザインの力で仙台、そして東北を盛り上げていきます。
- 略歴
- 京都工芸繊維大学工芸学部意匠工芸学科卒業。工学士。オムロン(株)広報宣伝部、デザイン部、経営戦略部、技術本部企画室長、オムロンFAストア(株)代表取締役社長などを経て、2013年4月より東北工業大学教授。2014年4月フェロー就任。
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東北工業大学ライフデザイン学部産業デザイン学科 教授
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