仙台市地域企業課題解決マイスター
荘司 弘樹氏
Hiroki Shoji
東北大学電気通信研究所 特任教授(運営)
博士(工学)
- 専門分野
- 電気・通信・電子・情報
地元企業と東北大学の「知」をつなぐ、
産学連携コーディネートのプロフェッショナル!
東北大学で磁性材料について研究していた荘司先生が、産学連携の道に進んだのは、36歳のときだったそう。
「大学を退職して、三菱総研に入ったんです。ちょうど産学連携がいわれはじめたころで。磁性材料だけじゃなくいろいろなことができるから面白いなって思って。あのころって、35歳が転職のリミットみたいな感じがあったから」と、荘司先生は笑います。「もともとの専門は磁性材料ではあるけど、辞めてから25年も経ってるから忘れちゃってるし(笑)。だから、これが専門! というのはないんですよね。ほかのフェロー(マイスター)の先生方は基本的に自分の専門を持っていて、その専門性を活かして御用聞き事業に携わっているわけですが、私の場合はそれがない。その代わり広く浅く、電気情報をテリトリーとしているんですよ」。
三菱総研を退職後は、ICR・知的クラスター本部科学技術コーディネーター、そして宇都宮大学地域共生研究開発センターで准教授を歴任してきた荘司先生。産学連携の面白さについて伺いました。
「やっぱり新しいものができてくるってことじゃないですかね。企業さんはいろいろやりたいことがあるんだと思うんですけど、なかなか単独で実現するのは難しい。でも、先生たちのアイディアを参考にしたり、大学のインフラを使うことで、企業のアイデアが実現していくっていうところを見ると面白いなと思いますね」。
御用聞き事業に携わるようになったのは、2019年からだそうで「おそらくほかの御用聞きとは違うやり方でして、通常はフェロー(マイスター)の先生が直接企業さんをお手伝いするという立場だと思うのですが、私がかかわる場合は東北大学の先生との間に入るという形になります。私は、自分がハブになって、企業さんと東北大学をつなぐという感じです。知的クラスターのときもそうだったんですけれど、企業や研究者とかいろいろなところにインタビューをしに行ってどのようなニーズがあるかを知り、私がお手伝いしている先生や企業の研究や技術が、どのように役立てるかを考えることが面白いですね」。
今後、御用聞き事業でかかわってみたい案件について伺うと「地元の企業さんの技術を大学の先生の研究に活かしていくことですね。地元の技術者の皆さんのおかげで小さな部品ができて、そのおかげで先生方の研究が進んだりとかね。そしてまた大学の先生って世界トップの特性をたたき出すことを目指したりしています。そのために必要となる技術に対しては無茶をいうので、その要求に対して地元企業が対応することで技術力がアップしていくという、ウィンウィンな関係をコーディネートできればいいですね」と。
そして、「地元企業が研究開発をして技術力をつけ、育って魅力的になれば、仙台に残って働きたいという学生も増えるでしょう。技術的な相談であれば、大学でもいいですし、産業技術センターでもいいですし、まずは相談してもらえたら」と笑顔で話してくれました。技術的な課題を抱える企業のみなさん、まずは“産学連携コーディネートのプロ”である荘司先生に相談するのが吉ですよ!
- 略歴
- 1992年東北大学大学院工学研究科博士後期課程を修了。東北大学工学部助手、助教授を経て、三菱総合研究所主任研究員、ICR・知的クラスター本部科学技術コーディネーター、宇都宮大学地域共生研究開発センター准教授を歴任。その後、東北大学電気通信研究所産学官連携推進室及びURAセンター特任教授に就任。2023年4月より東北大学研究推進・支援機構リサーチ・マネジメントセンター副センター長(兼電気通信研究所特任教授)。2019年4月フェロー就任。
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